マンションの駐輪場が使いにくい /二段式ラックは必要悪
マンションの施設の中で、駐輪場は不満が集まりやすい施設です。毎日使う場所だけに、快適に使いたいと思う人が多いのは当然ですが、さまざまな問題を抱えていることが多くて不満や苦情が溜まりがちです。「マンションの駐輪場が使いにくい」といった声に代表される、マンションの駐輪場で起こりがちな問題を考えてみたいと思います。
二段式ラックが使いにくい
二段式ラックを使った、マンションの駐輪場が使いにくいという声をよく聞きます。特に上の部分を使うことになった人から不満が出やすいです。「自転車を入れにくい」「上に上げる時に重い」「操作が複雑で面倒」などといろいろな不満を聞きます。そして使うのが面倒になり、敷地の空いているスペースに勝手に自転車を駐める人が出てきて問題になったりします。
そもそもマンションの企画をしていた側からすると二段式ラックは必要悪で、本当は使いたくないのですが仕方なく採用しています。当然ながらマンション デベロッパー の担当者も、平置きの駐輪場がいいと考えているのです。それなのになぜ二段式を使うかというと、いくつかの理由があります。1つめは、敷地内に駐輪場に使える場所がない場合です。マンションの立地にもよりますが、建物が敷地いっぱいに建っているマンションでは、そもそも駐輪場を設置する場所がほとんどないからです。駐輪場に使える場所が少なければ、二段式にして狭い場所に多く止められるようにしなくてはいけません。
もう1つの理由は、駐輪場の面積が延べ床面積に入ってしまうので、容積率の関係で駐輪場の広さが制限されてしまう場合です。これを正確に説明するには建築基準法を解説しなくてはいけなくなるので割愛しますが、建物やその施設は敷地いっぱいに建てることができなくなっているのです。その割合は法律で定められていて、駐輪場の広さも制限されることがあるのです。
二段式ラックは可動部分が錆びたりすると、使いにくさが倍増します。日頃のメンテナンスなどを心がけていきましょう。また空いているスペースがあれば、そこを活用することも考えていきましょう。最近では空きのある駐車場を駐輪場に変更する例が増えています。
駐輪場の幅が狭いために自転車の出し入れが難しい
先ほどの二段式ラックと重なる話ですが、駐輪場のスライドラックの幅が狭いため、自転車のハンドルやカゴがぶつかって収納しにくいという不満もよく聞かれます。特に二段式ラックの上段部では、ハンドル同士がぶつかってなかなか収納できないことがあります。最近ではスポーツタイプのハンドルの幅が70センチもある自転車もあり、隣の自転車のカゴにハンドルが当たってしまいます。管理規約にも自転車のサイズは決められていないことが多く、今さら自転車のサイズを制限すると反発する人が出ることが予想されるので、なかなか踏み切れないと思います。
そこで駐輪機の収納できる自転車規格を確認してみましょう。マンションの共用部に設置されている機器の取扱説明書は、竣工書類と一緒に保管されています。その中から駐輪機の取扱説明書を探してみましょう。駐輪機のメーカーにもよりますが、収納できる自転車の規格が記載されている場合があります。ほとんどの場合、ハンドル幅は60cm以下になっているはずです。駐輪機が想定していないサイズの自転車がぶつかるのは当然なので、これを理由にサイズを規制すれば反発は少ないと思います。
自転車を登録制にしていない
マンション内に駐輪する自転車を登録制にしていないケースが今も多く見られます。そういうマンションは、早急に登録制にするべきです。登録がないと住人が好きなだけ自転車を購入して駐輪するというだけでなく、使わなくなった自転車が放置されたままになるという問題も発生します。住人の使わない自転車が放置されるだけならまだいいのですが、盗難自転車がマンション内に捨てられているというケースもあります。登録制にすることで1世帯あたりの台数を制限できますし、使わなくなった自転車が放置されることもなくなります。登録制は多くのマンションで実施しているので、管理会社に依頼すればすぐに準備を始めてくれるでしょう。
駐輪場は見られている
私は中古マンションの購入希望者には、必ず駐輪場を見るように勧めています。自転車があふれかえり、好き勝手に駐輪され、使っているのかいないのかわからない自転車がいくつも駐められているマンションが多いからです。。駐輪場は住人のモラルを端的に表す場所で、こういうマンションは自分さえよければ他人のことは気にしない人が多く住んでいることがわかります。
駐輪場はマンションを訪問した人からも見られており、このように荒れた駐輪場では自転車の盗難やイタズラも起こりやすくなります。軽視されがちですが、駐輪場の改善は管理組合の急務だと思います。大きなトラブルになる前に、対策を講じましょう。
道交法に自転車の横幅は「60㎝以内」と規定ありますが、それより広いハンドル幅の自転車(マウンテンバイクに多い)が販売されています(通販サイトで確認)
警察も、取り締まってほしいです
コメント、ありがとうございます。
道路で使わなければ問題ないので、販売は止めれないんですよね。ただし道路で使って迷惑運転をしている人もいるので、取締りは必要だと思います。