マンションの警備会社をどうやって選ぶか

マンションのセキュリティを考えるとき、警備会社の導入はほとんど常識になってきています。しかし現在の警備会社に不満があったり、古い物件で警備会社が入っていないマンションから、たびたびどこの警備会社が良いのか質問されることがあります。今回はマンションの警備会社選びについてお話しします。

なぜ警備会社を入れるのか

マンションに警備会社が参入したのは、警備というより設備管理が目的でした。深夜に地下ピットの満水警報が鳴る、火災報知器の誤作動が起こるなどがあった場合、管理会社によって対応が違いました。24時間対応ですぐに管理会社の職員が駆けつけるようにしている会社もあれば、業務時間の朝9時以降でなければ対応しない会社もあったのです。

深夜に起こったトラブルに管理会社が対応できないことに不満を持つ住民は多く、管理会社が警備会社を雇ってトラブルの1次対応を依頼するようになりました。警備会社は元々24時間対応で勤務しています。深夜に満水警報が鳴ったら警備会社の社員がマンションに出動して、状況を確認して警報をリセットするのです。

こうして警備会社がマンションの業務を請け負うようになると、本来の警備業務も行うようになりました。インターホンについている「非常」と書いてあるボタンを押すと警備会社に警報を移報し、警備員が駆けつけるようになっています。また窓に防犯センサーを設置し、不法侵入があると警報が鳴って警備員が駆けつけるようになっています。

警備業界の情勢

警備業界の売上高ランキングが警備保障タイムズに出ています。

http://kh-t.jp/articles/ranking2019.html

警備業界はセコムが突出していて、それをなんとか追いかけているのが綜合警備保障(ALSOK)です。そして3位以下は団子状態で、警備業界は1強とか2強と言われています。そのため事業規模だけでなく世間での認知度も高く、信頼度を調査したアンケートでもこの2社が高い結果を出しています。この表で4位に入っているアサヒセキュリティは現金輸送などの警備を中心に行っている会社で、マンションの警備には登場しません。

セコム

1962年に日本初の警備保障会社として誕生しました。64年に東京オリンピックの選手村警備を担当し、66年にはオンライン警備を開始します。69年に殺人事件の犯人逮捕に貢献したことからオンライン警備の重要度が確認され、単に人を巡回させる警備から今日の機械警備を発展させて行きます。81年にはホームセキュリティに進出し、その後アメリカでも事業を展開しています。

※東京オリンピック

90年から長嶋茂雄をCMに起用し「セコムしてますか?」のキャッチコピーで、一般への認知度も急上昇しました。警備分野だけでなく医療など異分野へも積極的に進出しています。

綜合警備保障(ALSOK)

1965年に設立し、66年にはザ・ビートルズの日本武道館公演の警備、67年にはミニスカートで大ブームを起こしたモデルのツイッギーの来日警備を担当しています。また70年代にはダライ・ラマやローマ法王ヨハネ・パウロ二世が来日した際の身辺警護を行っています。90年代からロボットの開発を初めており、現在も常駐警備システムにロボットを併用しています。

※ミニスカートブームを巻き起こしたツイッギー

2000年代に入ると柔道部、レスリング部のスター選手を積極的にCMに出演させて話題になりました。柔道金メダリストの井上康生、塚田真希、レスリング金メダリストの伊調馨、吉田沙保里らが出演し、特に吉田沙保里が戦隊ヒーローに扮したCMが人気となりました。

その他の警備会社

セントラル警備保障は元プロ野球の星野仙一をCMに起用したので覚えている方も多いと思います。また全日警はCMに元プロ野球の金田正一を起用していました。セコムが長嶋茂雄のCMで評判を呼んだことが影響してか、警備会社はプロ野球選手の起用が目立ちます。

また東京の東急沿線では東急ブランドが強いため、警備会社も東急セキュリティを使っているマンションが多く、住民からの信頼も厚い印象があります。しかし東急セキュリティは、このランキングでは31位(売上高83億5485万)と、かなり後塵を拝しています。

名古屋ではつばめタクシーグループが支持を集めています。タクシー会社でありながら警備業の許可を取得しており、警備車両がタクシーを兼ねる珍しい業態です。タクシー業を活かした他にはないサービスを展開しています。

インターホンとの連動

セコムや綜合警備保障など多くの警備会社が、マンション住戸内のインターホンと連動する仕組みを採用しています。具体的には火災報知器、非常押しボタンからの発報信号が警備会社に届き、警備員が急行するシステムです。また窓や玄関に防犯センサーを設置し、センサーが反応したら警備員が出動するシステムもあります。この防犯センサーもインターホンを介して発報と移報が行われています。

そしてセコムの場合、オリジナルのマンション用インターホンを製作しています。新築時にセコムを採用しているマンションでは、このオリジナルインターホンを採用していることがほとんどです。そのためセコムから他の警備会社に変える場合、全戸のインターホンと管理人室の警報盤を交換しなくてはなりません。セコム採用物件はセコムのサービスを安く受けられるメリットがありますが、警備会社を変更する際には他よりコストが高くなります。

どうやって警備会社を選ぶか

必要なサービスは何か

まず理事会でどのようなサービスが必要かを整理しましょう。共用部設備に異常があったときに夜間対応をして欲しいだけなのか、専有部の侵入への対応も必要なのかで警備会社の選び方が変わります。またヘルスケアサービスも求めるのか、有人警備が欲しいのかなども重要な項目です。これらを決めたうえで、必要なサービスを提供している警備会社に見積書を出してもらうようにしましょう。

現状のサービスを確認する

現状の警備会社に不満があり同程度のサービスで他の警備会社に変えたい場合は、現状のサービスを警備会社に伝えれば良いだけです。しかしどういったサービスを受けているのか、管理組合がわかっていない場合が多くあります。特に設備の夜間対応などは管理会社に尋ねないとわからない場合がほとんどです。警備会社を変更する際には、必ず管理会社と相談しましょう。

各社から出てきた見積書を比較する

警備会社から出てきた見積書を比較する際に、重要な項目として基地局からの距離があります。警備業法施行細則では、異常を知らせる発報が届いてから25分で現地に到着しなくてはならないとされています。そのためどの警備会社も25分で到着可能と回答しますが、実際に警備員の待機所がどこにあるのか確認しておきましょう。

また専有部の鍵を預かる仕組みになっている場合は、どのように保管してどのような際に鍵を使うのか、また鍵を紛失した場合の措置や予防策まで聞いておきましょう。

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インターホンとの連動も重要です。充実したサービスはあるものの、インターホンを取り替えなくてはならない場合や、全戸のインターホンに機器を接続しなくてはならないサービスを受けられない場合もあります。その場合、工事費だけでなく全戸に入って工事をするのでかなりの工期と手間がかかります。見積書に書いてあるサービスが現状のインターホンで可能なのか、工事が必要なのかは必ず確認しましょう。

見積書の価格だけ見て決めようとする管理組合が多くありますが、重要なのは価格だけではありません。サービス全体を見て総合的に判断することが重要になります。

警備会社の見直しのお手伝いをしています

このように警備会社の選定や見直しは、とても手間がかかります。また現状の警備会社のサービスを管理会社に尋ねるように書きましたが、管理会社が警備会社のサービスや連動方法を把握していない場合も多くあります。そのため単に見積もりをとるだけでは、どこの警備会社が良いのかわからなくなる場合も多く、理事会は相談相手がいないため選定が困難になる場合があります。こういった理事会のために警備会社の見直しや選定のサポートを行っています。下記のメールフォームから、まずはご連絡ください。

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