マンションの防犯対策で最も注意するべきことは?

マンションの防音対策というと、鍵の交換や防犯カメラの話が中心になると思います。しかし警察庁が発表しているデータを見ると、もっと大事な防犯対策が見えてきます。それは玄関や窓に鍵を掛けるという基本的なことなのです。それを忘れた住戸に泥棒は入っています。今回はマンションの防犯対策で最も注意するべきことは何かについて、考えていきたいと思います。

オートロックは防犯対策か?

マンションの防犯対策として、真っ先にオートロックが挙げられます。しかしオートロックがあっても不審者が侵入する例は多く、オートロックを過信するのは危険です。代表的なのは住民がオートロックを開けた時に一緒に入る「共連れ」と言われる行為です。しかしそれ以外にも、オートロックから外部の人が侵入するケースは存在しました。

これは私がデベロッパー時代に経験した例です。都内のマンションで鍵を忘れて外に出た小学生が、ポストに入っていたチラシを自動ドアの召合わせ部分から差し込み、オートドアを開けていると連絡がありました。自動ドアメーカーに相談して、熱感知機能があるセンサーに交換しましたが、1年も経たないうちに外部の人が自動ドアを外から開けていると連絡がありました。ライターであぶった針金を自動ドアの召合わせから差し込んで開けていたのです。

現在の自動ドアは召し合わせ部分を改良して、隙間から何かを差し込むことはできなくなっています。しかし古いマンションでは、このような方法が可能な場合もあり、万全のセキュリティではないという認識が大事だと思います。オートロックは外部の人が簡単に入れないようにする意味でセキュリティ効果はありますが、絶対ではないことに注意しなくてはなりません。

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マンションは泥棒が入りにくい

警察庁の「平成30年の刑法犯に関する統計資料」によると、マンションは一戸建てより泥棒の被害が少ないことがわかります。このデータを見ていく前に、言葉の意味を整理しておきたいと思います。

空き巣・・・留守中に侵入して窃盗を働くこと
忍込み・・・就寝中に侵入して窃盗を働くこと
居空き・・・在宅時に侵入して窃盗を働くこと

このデータによると平成30年に発生した空き巣は戸建てで14,452件に対し、集合住宅は(4階以上と3階以下を合わせて)7,651件しかありません。集合住宅は戸建ての約半数しか空き巣が発生していないのです。忍び込みは戸建てが6,379件に対し集合住宅は1,030件で、戸建ての16%に過ぎません。居空きは戸建ての1541件に対し集合住宅は318件になります。

このようにマンションは戸建てに比べて、そもそも泥棒に入られる確率が低いと言えるでしょう。

共同住宅の侵入手口

同じく警察庁の「平成30年の刑法犯に関する統計資料」によると、平成30年度に4階以上の共同住宅で発生した侵入窃盗の認知件数は1912件で、そのうち最も多い侵入手口は無締り(無施錠)のドアや窓からの侵入です。その数776件で、全体の40%を超えています。しかも776件中、玄関からの侵入は460件にもなり、多くの泥棒が無施錠の玄関からそのまま入ってきていることがわかります。

3階以下の共同住宅になると侵入窃盗の認知件数は5739件で、そのうち最も多いのが2355件の無施錠のドアや窓からの侵入です。こちらも全体の40%を超えています。その内訳は最も多いのが窓の1183件、次いで玄関の1027件になります。低層の集合住宅でも無施錠の窓や玄関から泥棒が侵入していることがわかります。

このためマンションの防犯対策は、鍵を掛けることを忘れずに行うというのが重要です。お出かけの際だけでなく、夜寝るときも鍵を掛けておくというのが最も重要な防犯対策になります。

ピッキングでの侵入は少ない

ピッキングによる空き巣が多かった時代もありますが、今やピッキングでの侵入は少数派になりました。同じく警察庁の「平成30年の刑法犯に関する統計資料」から見ていきたいと思います。4階以上の集合住宅の侵入手口を見てみましょう。

※ピッキング

最も多いのは先ほど挙げた「無締り」で、全体の40%を超えます。それに対して玄関の鍵を開けて侵入する「施錠開け」は357件で、全体の19%です。「施錠開け」の内訳を見ると最も多いのは「合い鍵」を使用した302件で、次いで「サムターン回し」が10件、「ピッキング」は2件に過ぎません。マンションの防犯対策というと、真っ先に玄関の鍵を高セキュリティなものに交換することを思い浮かべる人が多いのですが、ピッキングやサムターン回しによる侵入はわずかなのです。

ピッキングは2002年頃に全国で多発しました。そのため多くのマンションではピッキング対策を施した鍵に代えており、その後は急速に減少しました。また多くのマンションがピッキング対策を施すと、サムターン回しという手法で侵入されるケースが2003年に急増しました。しかしこちらも現在はかなり減ってきています。

合鍵による侵入とはなにか

4階以上の共同住宅で無締り、ガラス破りに継いで多いのが合鍵の仕様です。マンションだと、玄関の横にあるパイプスペースに合鍵を入れている人が多くいますが、泥棒は必ずここをチェックしています。アルコープに置いた靴ふきマットの裏側や新聞受けの内部なども同様で、こういった隠し場所は泥棒にチェックされていると思って間違いないでしょう。不用意な場所に合鍵を置かないことも、防犯上重要な対策になります。

まとめ

防犯対策で最も重要なのは、玄関や窓に鍵をかけることです。そしてメーターボックスなどに鍵を隠すのは止めましょう。泥棒は、なるべく手間がかからない住戸に侵入したいと考えるので、鍵がかかっていない住戸は真っ先に狙われます。防犯カメラを設置したり、セキュリティ性の高い鍵に交換することも大事ですが、まずは鍵をきちんと掛けるという基本を押さえるだけで防犯性は大きく上がることを覚えておいてください。

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