マンションを買うと貧乏になる時代がすぐそこに来ている

マンションの過疎化が問題視されるようになってから、一向に改善の兆しが見えないまま今日に至っています。人口が減ると住宅が余るのは当然で、仕方がないという見方もあります。そのため話題になることも少ないのですが、人口の減少が進行する過程でマンション住人の財産が目減りしていくという事実が忘れられがちです。他人事ではない、マンションの過疎化がみなさんに与える影響について書いてみます。

過疎化する日本の住宅

総務省が発表している「平成 30 年住宅・土地統計調査」によると、平成30年の全国の空き家率は13.7%で過去最大になっています。これは昭和63年から 平成30年までの30年間にかけて114.7%の増加で、急速に空き家が増えていることがわかります。これは戸建ても賃貸用も全てを含む空き家率ですが、その内訳を見ると共同住宅が半分を占めています。

※総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」より

分譲マンションが抱える過疎化問題

現在、空き家問題が急速に進んでいるマンションは地方都市に多くありますが、首都圏にも確実に存在します。バブル期に交通が不便な所に建てられたマンションなどは、ほとんど買い手がつかないまま大量の空室になっています。1990年に日本の地価は高値のピークになり、このままではサラリーマンの多くが住宅を購入できなくなるという危機感がありました。そのため多少不便な場所であっても買えるうちに住宅を買っておいた方が良いと判断した人も多く、駅からバスで30分かかるような場所のマンションでも売れていました。

40歳代でそういうマンションを買った人は、今は70歳代です。こういう方々が、不便な場所での生活に困って子供達のところに引っ越すなどしています。また経済的に余裕がある方は、終の棲家を便利の良い場所に求めて不便なマンションから出て行きます。こうして空き家が増えていき、残っているのは経済的に脱出できない人だけというマンションがあちこちに存在しています。今後、このような状態はますます加速すると予想されています。

空き家が増えると不足する修繕積立金

総戸数100戸のマンションで5戸の空き家があるというのは、さほど問題視されません。しかし高齢で亡くなった方の部屋は相続されますが、相続人との連絡がつかないまま修繕積立金が徴収できないというケースが出てくるようになりました。こうして徴収できない部屋が増えてくると修繕積立金が不足し、必要な修繕ができないことが起こり始めます。今や所有者不明住戸が確実に増えていて、近い将来に大きな問題になると予想されます。

※国土交通省「マンション総合調査」より

国土交通省が行っている「マンション総合調査」の2018年の調査結果を見ると、所在不明・連絡先不通の住戸の割合が新設されていて、全体の3.9%が所有者不明になっています。古いマンションほど所有者が不明になっている割合が高く、住人の高齢化にともなってますます所有者不明の住戸は増えると予測されます。

※国土交通省「マンション総合調査」より

私は以前から修繕積立金が不足すると書いてきましたが、これは全住戸が予定通り支払っても不足するという話です。そこからさらに未徴収が出てくると、不足分が大きく跳ね上がります。空き家が増えると老後を待たずに不足するマンションが出てくるでしょう。これに機械式駐車場があり、駐車場が空いている状態がセットになると、さらに不足が加速していくことになります。

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老後にマンションの修繕積立金は不足する

負のスパイラルの始まり

修繕積立金が不足すると、故障した部分の修理ができなくなります。水道のポンプや貯水槽が故障したら生活ができなくなるので、お金が無くともなんとかしようとするかもしれません。しかしエントランスの自動ドアや共用部の照明など、なくてもなんとか生活できるものが壊れても放置されるようになります。そのようなマンションは、中古で販売しても売れることはありませんから、空き家が埋まることなく増えていくことになります。

※負のサイクル

こうして出て行く人はいても、入ってくる人がいないマンションになり、資金繰りがどんどん苦しくなるのに建物の老朽化だけは進んでいきます。マンションはますます過疎化が進み、修繕できない部分が増えてボロボロになっていきます。このようなマンションが、やがて廃墟化していきます。廃墟化していくマンションは、一気に廃墟になるのではなく、このように徐々に進行して廃墟になっていくのです。

空き家がある中古マンションは要注意

このことを考えると、中古マンションを買う際に空き家がある物件を買うのはリスクがあるとわかります。もちろん短期間なら空き家が出る物件は多くありますが、数年間も空き家があるなら買い手がつかないマンションですので、安いからといって飛びつくのは危険でしょう。ましてや空き家が1つではなく複数の空き家が数年間に渡って存在するマンションは、どれほど安くても将来的な不安を感じさせます。

マンションに住んでいる側からすると、空き家になっている部屋があるということは他人事ではありません。空き家があるということは、将来のリスクの芽が生まれているということです。住人全員がマンションの資産価値を高めることを考えていかなければ、今後どんどん廃墟化するマンションが増えると思います。マンションは緩やかに死に向かいます。長生きさせるか、早死にさせるかは住人の意志に掛かっています。

理事を拒否する時代ではない

マンションに住んではいるけど、管理組合の理事にはなりたくないという人が結構な割合でいます。仕事が忙しい、家族が大変といったさまざまな事情があるため、理事の活動が負担になるのは当然のことです。しかし理事会は管理組合の活動の重要な場で、ここで決まった方向性がマンションの資産性や将来性を左右します。全員が積極的に管理組合の活動に参加していかないと、マンションの緩やかな死は加速していきます。

今や理事になりたくない人は、マンションを買うべきではないのです。マンションの利便性を享受し、自らの資産を守るのは他人任せにしてどうにかなる時代ではなくなりました。理事になりたくな人は戸建てを買う方が良いでしょう。これから20年で多くのマンションが廃墟になると予想されます。ご自身が住んでいるマンションが廃墟にならないため、住人一人一人が考えていかなければなりません。

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