修繕業者のプレゼンはどこを見るべきか

マンションでは修繕工事を依頼することが度々あります。その際に、どの業者にお任せするかを選ぶのに複数の業者を招いてプレゼンを行うことがあります。似たような話が続くので退屈になりやすいですし、何を聞くべきか分からないので結論が出ないこともあります。そこで今回は、プレゼンで何を聞いておくべきかを説明します。結論を先に書くと、プレゼンでは仮設計画を聞けば大体のことがわかるのです。

修繕業者のプレゼン

マンションの修繕を行う管理組合は、複数の業者に見積書を提出してもらいます。その後、各業者に来て頂いて理事会や個別委員会でプレゼンを行います。各社のプレゼンを聞いた後に、工事を依頼するのに相応しい業者を話し合って決定するごとになります。プレゼンは各社のアピールの場ですし、管理組合にとっては業者を見分ける場になります。そのため業者のプレゼンはよく聞くべきで、彼らが何を話したのかに加えて何を話さなかったかに注目する必要があります。しかし残念ながら、プレゼンの大半は退屈で聞くのが苦痛だったりします。

プレゼンの内容

大抵の場合、業者は色々な話をしたがります。しかし話をする内容は3つしかないのです。その3つとは「何をするのか」「どうやってするのか」「いくらするのか」です。もう少し噛み砕いて書くと「どういう工事をするのか」「工事のやり方はどうするのか」「その工事がいくらになるのか」という意味です。しかしそれぞれを均等に、同じ時間をかけて話すわけではありません。

仮に全戸の玄関ドアを交換する工事のプレゼンを行ったとします。「何をするのか」は玄関ドアを交換する工事に決まっていますから、どのメーカーのドアに交換するとか、そのメーカーにすることでどのようなメリットがあるかを話す程度で、あまり長々と話す必要はありません。

「いくらするのか」も同様で、見積書を見て貰えば金額はわかります。これも長々と説明する必要はありません。しかし「どうやってするのか」は、工事内容になるので仮設計画から安全対策なども含まれるのでどうしてもボリュームが大きくなります。プレゼンの時間の半分ぐらいは、「どうやってするのか」の話で占められることになるのが本来の姿だと思います。特に数日間から数ヶ月に渡って行うような工事では、どうやって工事をするかは重要なポイントになってくるはずなのです。

無駄な話が多いプレゼン

しかし実際は全く違うプレゼンが展開されます。わかりきった商品の説明を延々と続ける人、さまざまなオプションの内容を説明する人、見積書の内容を事細かに説明し出す人などが大半です。中には自社の自慢話を続ける人や、頼んでもいない工事の話までする人など、聞いていて苦痛に感じることもあります。繰り返しますが、必要なのは「何をするのか」「どうやってするのか」「いくらするのか」の3点です。それ以外の話はプレゼンでは不要なのに、延々と続ける人が案外多かったりします。その挙句に決められた時間をオーバーする人もいるのですから、聞く方もかなり大変なのです。

そして多くのプレゼンでは「どうやってするのか」は、最も時間が短いことがほとんどです。しかし管理組合としては「どうやってするか」に、とても重要なことが含まれています。搬入ルートや資材置き場の位置によっては、住民が怪我をするかもしれません。騒音対策もしっかり行わなければクレームになります。何時から何時まで作業をして、何日間ぐらいで工事が終わるのかも重要です。しかし見積もりの段階では、まだ十分に検討されていないことも多く、これらの話は省略されてしまうことが多いのです。

仮設計画なしに見積はできない

仮設計画は見積書を作る上で、重要な要素になります。例えば搬入と搬出のルートによって、工事にかかる人手の数が変わってきます。マンション内に材料を仮置きできるのか、毎日使う量だけ搬入しなくてはならないのかで搬入費も変わってきます。作業員の休憩所がなくて、駐車場で食事をとってクレームになるなんてケースもあります。そこで休憩所のためにプレハブを設置すると、その費用がかかります。

安全対策も費用がかかります。通勤時間帯の人の出入りが増える時間帯に搬入しなくてはならない時には、警備員を入れる必要が出てきます。材料や工具の飛来落下の危険がある場合は、バリケードや警備員が必要になります。また安全対策以外でも、作業員が乗ってくる自動車がマンション内に駐車できなければ駐車場代が必要になります。このように仮設計画によって、費用は大きく変わってくるのです。そのため仮設計画なしに見積書が作れるはずはありません。

しかし仮設計画をほとんど検討せずに、見積書を作る業者もいます。これまでの経験から、このくらいの規模の物件ならこの程度の額だろうという見当をつけて見積書を出してくるのです。そのため工事が始まってから安全対策が不足していたり、仮設計画が甘いために住民からクレームが発生する可能性があります。そうしたクレームに対応するように業者に要請しても、見積書に含まれていないため追加料金を請求されることも出てきます。工事が始まってから話が違うと思っても、工事を途中で止めるわけにもいかず、結局は最後まで問題続きの工事を行うことになってしまうのです。

プレゼンでは仮設計画を聞く

業者のプレゼンの後の理事会との話し合いで、腕が良い業者はどれかと質問されることがよくあります。正直、腕が良いかどうかは工事をしてみるまでわかりません。しかし仮設計画を入念に行っている業者は、腕が良い可能性が高いと言えます。仮設計画は工事の前段取りみたいなものです。段取りが良くても仕事が下手な人がいるのは事実です。しかし段取りが悪くて仕事が上手い人は滅多にいません。その意味で、仮設計画を入念に行っている会社は腕が良い可能性が高いのです。

こう言うと、プレゼンの段階では詳細がわかっていないことが多く、大まかな見積もりしかできないという業者が必ずいます。ですから管理組合としては、プレゼンを行う業者が現地や竣工図が見たいと言えば協力してあげましょう。後から管理組合が現地や図面を見せてくれなかったと言わせないようにしておくのです。以前にも書きましたが建築の仕事は何年もやっていれば腕が上がるわけではなく、長年の経験があっても腕が悪い業者はいくらでもいます。そのような業者に当たらないためにも、こういったポイントは抑えておくと良いでしょう。

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まとめ

業者によってプレゼンが苦手というところもありますが、以前の仕事をみたことがない管理組合としてはプレゼンで判断するしかありません。その時に十分に仮設計画が練られているかを見ていきましょう。どうしても仕事をとりたい業者は熱心に下調べをしてくるはずですし、熱意があまりなくとりあえず見積書を出すだけの業者とは違ってくるはずです。プレゼンは退屈ですが、仮設計画がどれだけ充実したものを持ってきているかで、その業者がどのくらいの意気込みで仕事を取りにきているのか、どの程度の技量があるのか大体の検討がつきます。仮設計画の内容に注目して聞いてみましょう。

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