浄水器と活水器は何が違うのか /違いを知ると選び方も変わります

マンションには浄水器が取り付けられていることが多いと思いますが、まれに活水器が取り付けられていることがあります。どちらも水をキレイにし、嫌な臭いを除去すると書かれているので、ほとんど違いがないように思えます。しかし浄水器と活水器は全く違うものです。今回は、この2つの違いについて説明したいと思います。

浄水器とは

水道水に含まれる残留塩素を除去、または減少させるものです。また消費者庁では以下の3つの定義を挙げています。

・飲用に供する水を得るためのものであって、水道水から残留塩素を除去する機能を有するものに限る。
・業務用、非常時用、アウトドア用、浴槽用、シャワー用や河川水や井戸水を原水としているものは除く。
・カートリッジ等についても単体で販売される場合は対象となる。

つまり浄水器は、残留塩素を取り除いて水道水をキレイにする装置です。水道水が臭うという話をよく聞きますが、こういった不満から改良を重ねてきています。そして浄水器の規格は、以前は日本水道協会が定めていました。しかし2015年にJIS(日本工業規格)が規格を定めたため、現在はJIS規格に従って製造されています。

JIS S 3241(家庭用浄水器)

浄水器協会とは

正式には一般社団法人 浄水器協会です。浄水器の製造・販売などの関係事業者が集まって活動する業界団体で、1972年に発足しました。浄水器協会は上記のJIS規格をクリアし、さらに独自基準をクリアした浄水器に認証マークをつけています。

活水器とは

活水器も一般的には水をキレイにすると言われています。そのため活水器を浄水器と勘違いしている人もいます。また水そのものを変化させ、水をまろやかにしたり体に良い効果を生むということを売りにしているものもあります。そのため形状や取り付け方、効果も千差万別で活水器とは何かを言い表すことは難しいのですが、水をキレイにするなどの機能をうたっていて浄水器の認証がないものは活水器と言って良いと思います。

活水器には浄水器のように蛇口に取り付けるタイプ、メーターボックス内に取り付けて部屋中の水をキレイにするタイプ、給水管の外に取り付けて磁気などの力で水の性質を変えるタイプなどがあります。このうち給水管の外に取り付けるタイプは水道法にも抵触しないため、ほとんど規制するものがありません。各社で自由に性能をうたい販売することが可能になります。そのため本当に広告にあるような性能があるかはわかりません。また「水のクラスターを小さくして水をまろやかにする」など、科学的によくわからない説明をするメーカーもいたため東京都では2005年に以下のような発表をしています。

「活水器」の表示に関する科学的視点からの検証について

この中で東京都生活文化局は、「その商品について実際のものよりも著しく優良であると消費者に示すことにより、不当に顧客を誘引するものであり、景品表示法が禁止する不当表示に該当するおそれがある。」と警鐘を鳴らしています。活水器の中にも広告通りの性能を持つ商品もあるのでしょうが、科学的に怪しげな商品も多く出回っているため科学的知識が乏しい人には見分けるのが難しいと思います。

残留塩素の重要性

水道法では、蛇口で水道水内の残留塩素が0.1mg/L以上保持することを求めています。残留塩素はカルキ臭さの原因であり、水の味や香りを悪くします。また残留塩素は殺菌力が強いため、アレルギーや肌のトラブルの原因になるという主張もあります。そのため残留塩素を完全に取り除くことをうたう製品がヒットした時期もありました。

上水道が発達し始めた明治時代から、水道水の安全性は最重要課題でした。水道水に病原菌が混じっていれば集団感染の可能性が出てくるので、水道水をいかに安全に各戸に供給するかが長い間研究されてきました。日本水道協会はこういった研究のために発足し、現在も幅広く知見を集めて研究しています。残留塩素が人体に全く影響がないかは別にして、死因の上位にあった疫病との戦いの中で水道水を塩素で消毒してから各戸に供給するという知恵が生まれたのです。

パイプスペース内に設置して、お風呂も洗面所もトイレも全て残留塩素ゼロにする機械というのもあります。このような装置を設置した場合、毎日水道を使っていれば良いのですが、旅行などで数日間家を空けた場合は専有部内の水道管に溜まった水道水は残留塩素が全くない状態で溜まっています。そのため水の腐食や雑菌の繁殖の可能性があるので、全ての水道を開いて水をしばらく流しっぱなしにしておく方が良いでしょう。

日本水道協会(日水協:JWWA)とは

正式には公益社団法人日本水道協会といいます。この協会は古い歴史を持っていて、始まりは明治時代に遡ります。明治20年に横浜市で近代水道の給水が始まり、函館区、長崎市、大阪市、東京市、広島市、神戸市などの港湾都市に水道が普及しました。しかし給水方式も管の素材や太さもバラバラで、全国に普及するに従って問題が発生するのは必至でした。特に水質の基準がバラバラなのは今後の大きな問題になると思われ、上水道関係者は危機感を募らせていました。

そこで「上水試験方法統一のための協議会」が開かれ、明治37年に上水協議会が発足しました。これが日水協の前身になりました。上水道のあらゆる問題が上水協議会に集まり、解決策が練られていきます。やがて加盟都市が増加したことで、昭和7年に社団法人水道協会になります。その後昭和31年に社団法人日本水道協会、平成25年に公益社団法人日本水道協会へ移行します。

日水協にはいくつもの業務がありますが、その1つに第三者認証業務というのがあります。蛇口など給水装置に関しては、構造及や材質、水道用薬品について水道法に基づく厚生労働省令で定められた技術的基準があります。これらの基準を満たしているかを審査するのが第三者認証業務で、合格した製品には品質認証マークが貼られています。これを読んでいる方のご自宅の水洗器具にも、品質認証マークがついていると思います。

※日本水道協会の認証マーク

浄水器は必要なのか?

浄水器は残留塩素を減少させる効果があります。塩素は殺菌剤で、安全な水を各家庭に届けるために使われています。水道法では家庭の蛇口から出る水道水1リットルに対して1mgの塩素が残留するように定められています。日本の水は世界一安全と言われていますが、その安全性を守っているのが残留塩素なのです。しかしこの塩素の臭いが気になる人がいるのも事実で、浄水器はこの臭いを除去してくれます。

またマンションでは受水槽に一度水を溜めてから、各住戸に水を供給する場合があります。配管も古くなると定期的な清掃を行っていても、汚れや臭いが溜まってくることがあります。こうした臭いを除去するために、浄水器を使う方もいます。浄水器は絶対に必要というわけではありませんが、臭いなどが気になる方は使ってみるとよいでしょう。その一方で水道本管から直接住戸に水を届ける増圧直結給水の場合は、臭いが気にならないという人も多くいます。そういった場合は、無理に高い機械を買って取り付けることもないと思います。

まとめ

浄水器はJIS規格に準じており浄水器協会の規格をクリアした商品です。一方で活水器はメーカー独自の基準で作られており、見た目は似ていても全く異なります。また浄水器は絶対に必要というわけではありません。水の臭いや味が気にならない、残留塩素が気にならないという方は無理につけなくて良いと思います。購入する際には何が必要かを見極めて、商品を選んでください。

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