網戸をしていても虫が入ってくる/ サッシのチェックのおすすめ

夏も終わり肌寒くなってきましたが、今年の夏は網戸を閉めているのに虫が室内に入ってくるという相談が3件もありました。現場を見ないとなんとも言えないことが多いのですが、相談に対応していく中でポイントをまとめることができたのでご紹介したいと思います。今回は網戸を閉めているのに、マンション室内に虫が入ってくる原因について書いていきます。

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網戸を閉めているのに入ってくる虫

夏場に網戸を閉めて窓を開けていたら虫が入ってきた、という問い合わせがありました。売主や仲介業者に相談しても対応してくれないので、どうしたら良いかというメールでしたが、虫によって侵入経路が違います。例えば本を開くと歩いているチャタテムシは、外部から持ち込まれるケースがほとんどです。宅急便の段ボールについて室内に入ってくることがあります。ですから網戸をいくら閉めていても、室内には楽々侵入してしまいます。その一方、チョウバエやシバンムシなどはドアや窓、網戸の隙間などから入ってきます。こちらはサッシと網戸をチェックすることで侵入を防ぐことが有効です。しかしそれだけで虫をシャットアウトできるわけではありません。以下に室内に虫が入ってくるさまざまな原因を見ていきたいと思います。

窓から虫が侵入する原因

ではなぜ網戸を閉めている窓から、ハエなどが侵入してくるのかを考えてみましょう。いくつかの原因が考えられるので、以下に列記していきます。

①網戸の劣化

網戸そのものが劣化している場合があります。パッと見ただけではわかりにくいので、網戸を細かく見てみましょう。網戸の網の目は1mmちょっとのサイズです。これでほとんどの虫を通さないのですが、風雨にさらされたことで網目が切れていたり大きくなったりしていないか見てみましょう。

また網戸の枠についているモヘアをチェックしてください。刷毛状のフサフサがついているのですが、これが劣化して毛が少なくなっていることがあります。これは網戸とガラスサッシの隙間を防ぐ重要な部品なので、これが劣化してしまうと虫が侵入してしまいます。

網戸が劣化している場合はホームセンターなどでも修理をしてくれるところがありますが、共用部にあたるので管理会社か理事会に相談してから修理をするようにしてください。

②サッシの建て付けが悪い

サッシは毎日動かすため、どうしても経年劣化が進んでしまいます。特にサッシを動かす戸車は劣化しやすく、戸車がダメになるとサッシ全体が下に下がることがあり、サッシの上部に隙間が生じることがあります。戸車が劣化するとサッシが重くなるので、建て付けが悪くなっているかわかると思います。

※サッシの戸車

またレールにゴミやホコリが溜まると、サッシの動きが悪くなります。小石などを噛んでサッシが、微妙に斜めになっていることもあります。こういった場合にもサッシに隙間ができることがあるので、虫が侵入する原因になります。またサッシも共用部なので管理会社か理事会に相談してから修理するようにしてください。一般的には戸車などの消耗品は入居者の費用負担になりますが、修理業者などを紹介してくれると思います。

③サッシの使い方に問題がある

サッシにもよりますが、窓を開ける場合は必ず全開にしないと隙間ができてしまうものがあります。方立とサッシ枠が合わさって隙間を塞ぐようになっている場合、窓を半分ぐらいしか開けていないとサッシの間に隙間が生じるのです。ですから窓を開ける際には少し開けるのではなく、全開にするようにしましょう。

また引き違い窓の場合、網戸はサッシの右側で使うようになっています。左側で使うとサッシの間に隙間ができるので、必ず右側で使うようにしてください。これらの件に関しては、マンションの引き渡しを受けた際に取扱説明書も一緒に引き渡されているはずなので、サッシの取扱説明書を読んでみてください。

④水抜き穴からの侵入

これもサッシによりますが、サッシのレール部分に水抜き穴(ドレン)が設置されています。最近の窓はペアガラスになっていますが、枠はアルミでできています。そのため窓は結露しませんが、枠の部分は結露してしまいます。そこでレール部分に水抜き穴を設けて、レールに水が貯まらないようにしているのです。とても小さな穴なので、ここから侵入できる虫は少ないですが、非常に小さな虫なら入れなくもないでしょう。

⑤窓の開け閉め時に侵入している

洗濯物を干す際など、窓を開け閉めする際に虫が室内に侵入することがあります。戸建のゴキブリなどは、玄関ドアや窓を開け閉めする際に侵入するケースが多いと聞いたことがあります。ハエなども網戸に止まっていたものが、網戸を開け閉めする際に室内に侵入してくることもあります。窓の開け閉め時には、虫が入らないように注意する必要があります。

室内にいる虫の種類

マンションの室内では、さまざまな種類の虫を見ることがあります。全ての種類を挙げることはできませんので、主な虫を紹介したいと思います。

①チョウバエ

コバエと呼ばれることが多いハエで、水回りでよく見られます。皮脂等の油汚れや石鹸カスがある場所に集まります。そのためトイレや洗面所、お風呂で発生することが多いのが特徴です。ドアや窓、網戸の隙間などから侵入します。卵や幼虫は排水溝の奥や湯船の下の隙間など、見えにくいところで繁殖するのが特徴です。

②シバンムシ

コバエぐらいの大きさの虫で、羽があって飛び回ることもあります。繁殖力が強く、パンや乾麺、小麦粉、ペットフードなどの乾燥食材、そして畳や木材などの建材、本を食害します。ドアや窓、網戸の隙間などから侵入してきます。

③アリガタバチ

シバンムシに寄生するのがアリガタバチです。そのためシバンムシが発生すると、アリガタバチも発生します。成虫に噛まれると水ぶくれができたり化膿したりするので、厄介な虫です。ドアや窓、網戸の隙間などから侵入してきます。

④チャタテムシ

古本を開いた時に見かけるのがチャタテムシです。本や畳でよく見かけますが、菌類やカビ類を好みます。また花粉や穀粉、さらに米や穀類なども好みます。部屋への侵入の多くは持ち込まれたもので、宅配便の段ボール箱や買い物袋などについて入ってくると言われています。

その他

まだまだありますが、殺虫剤などを販売している大日本除虫菊株式会社(キンチョー)のサイトに害虫の種類と特徴が掲載されているので、参考にしてください。

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まとめ

毎日動かしているサッシは、どうしても経年劣化が進んで建て付けが悪くなります。建て付けが悪くなると隙間が生じやすくなり、隙間が生じると虫が入りやすくなるだけでなくエアコンの効率も悪くなります。サッシは専用使用権がある共用部なので、管理会社やマンション理事会に相談してから調整するようにしてください。

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