マンション購入時の注意点 /行き過ぎたセールストーク

マンションを販売する営業マンは、さまざまなセールストークを駆使します。中には行きすぎたセールストークを展開して、後にトラブルになる例があります。最近、たまたま2つのトラブルの相談があったので、それをご紹介します。今回はマンション購入時の注意点を、営業マンのセールストークから考えてみます。

事例1 アルコープの自転車

中古マンションを探しをしていたAさんは、ようやく気に入った物件を見つけることができました。しかし自転車置き場が1住戸につき2台までというのがネックでした。そのマンションは駅まで距離があるため、もしそのマンションに住むなら自分用の自転車を買って通勤に使いたいと考えていたのです。すでに子供2人の自転車があるので、3台目の自転車を留める場所が必要です。不動産屋にそのことを言うと、アルコープが広いので自転車を置いておけると言われて契約しました。

※玄関の前のスペースをアルコープと呼びます

入居後半年ほど経ってから、管理組合の理事会名でお手紙が届きました。アルコープに自転車を置くのは管理規約に違反しているため、すぐに移動して欲しいという内容でした。Aさんはアルコープに自転車が置けると聞いていたので契約しました。そのことを理事会に言っても、規約に反しているのですぐに移動するようにと言われるだけで、駐輪場にも空きはないそうです。そもそもアルコープなら他の住民に迷惑をかけてないし、理事会が横暴すぎるのではないかと思っています。

事例2 駐車場の2台利用

マンションに住むBさんは、自動車を購入することにしました。住んでいるマンションの管理規約では、駐車場は1住戸1台までとなっているのですが、見たところ満車になっています。規約をよく読むと、駐車場が空いている場合は1住戸2台まで契約が可能だが、利用希望者が現れた場合には2ヶ月以内に2台目の駐車場を明け渡さなくてはならないと書かれています。そこで管理会社に連絡して、駐車場を利用したい旨を伝えました。

しかし管理会社から、現在2台利用している方は駐車場が2台利用できることを条件にマンション購入を決めており、移動をお願いするのは難しいと言われました。こう言われたBさんは、自動車を購入するべきか悩んでいます。マンションの購入条件だったのなら仕方ない気もしますし、同時に自分にも駐車場を利用する権利があると思います。2台利用している人に直接お願いしに行くべきかと相談されました。

マンション管理規約の重さ

どちらも営業マンの行き過ぎたセールストークによって起こった問題です。この問題を解決するには、マンションの自治とルールを考えてみる必要があります。マンションを1つの国家と考えると、マンションの住民は国民です。国民が税金を納めるようにマンション住民も管理費や修繕積立金を払っています。また国民の代表が集まる国会で、マンションで言うなら理事会になります。

しかし理事会が勝手にあれこれ決めたりすると、他の住民に不利益があるかもしれません。そこで国の憲法にあたるマンション管理規約があります。憲法を改正するには国民当方で1/2を超える賛成が必要ですが、マンション管理規約も総会で3/4以上の賛成が必要になります。このようにマンション管理規約はマンションに住むうえで非常に重要なルールになっています。マンション管理規約は憲法であり、マンションに住むうえで守らなければならないルールなのです。

2つの問題の共通点

先に挙げたAさんとBさんが直面している問題ですが、どちらも営業マンのセールストークがマンション管理規約に反していたことから問題になっています。もうお分かりだと思いますが、マンションの住民でもなんでもない営業マンが何を言おうと、住んでいるマンションの管理規約が優先するのです。アメリカから日本に帰化した人が「日本人になっても拳銃を携帯できるとアメリカで言われた」と主張して、拳銃を持ち歩いていたらどうなるでしょうか?アメリカで何を言われたかなど関係なく、日本の法律で逮捕されます。これと全く同じなのです。

マンション管理規約はマンションの法律です。管理組合員ではない営業マンが何を言おうが、マンション管理規約が優先されます。そのためマンションを購入する際には、必ずマンション管理規約を確認しましょう。

問題解決に向けて

Aさんのケースでは、アルコープは専有使用権が認められているとはいえ共用部ですから、管理規約に従って自転車を撤去するしかありません。自宅の中で保管するなどの方法を取ることになります。同時に、撤去を求めている理事会に対して駐輪場の空きがないのか、あるならば誰かが使用するまで使わせてもらえないか相談するのもありだと思います。

Bさんのケースでは、規約に従って管理会社に手続きを進めるように言うことになります。もしかしたら管理会社と販売会社がグループ会社で、管理会社は気を使っているのかもしれません。しかしそれは全く関係ないことです。管理会社がなかなか駐車場契約を進めなければ、理事会に相談して規約通りに進めるよう管理会社に言ってもらいましょう。

まとめ

マンション販売会社では歩合性で社員の給料が決まることも多く、売るために言ってはならないことを言うケースもあります。こういったセールストークを厳しく禁止している不動産屋もありますが、まだまだ売れれば良いと考えている会社があるのも事実です。マンションの購入を検討する際には、必ずマンション管理規約を見せてもらいましょう。営業マンが言っているこことと管理規約の内容に食い違いがあれば、管理規約が優先すると考えて契約するか判断してください。

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