犯行現場を映さない防犯カメラが優秀な理由

最近のマンションには、防犯カメラが設置されていることがほとんどです。しかしこの防犯カメラは本当に防犯に役に立っているでしょうか?マンションにお住いの方、そして管理組合の理事会の方には、防犯カメラをチェックすることをお勧めします。では何をチェックすればいいのでしょう?

抑止効果の重要性

防犯カメラの設置で一番重要なのは、犯罪の抑止効果です。撮影されているとわかれば、犯罪は起こりにくいのです。そして次が、犯罪が発生した場合の証拠能力です。しかし残念ながら、マンション内のあらゆる犯罪を防犯カメラに記録できるわけではありません。そこで最初にチェックしていただきたいのは、最も重要な防犯カメラが抑止効果になっているかということです。

※夜間は顔まで映らない事が多くあります。

犯罪の現場を記録し、犯人の顔までわかるように撮影できればベストですが、広い地下駐車場を有するマンションなどでは、何台ものカメラが必要になります。さらにそれを記録するレコーダーも大規模なものになり、カメラも高精度なものが必要になります。資金に余裕がある管理組合ならいいのですが、あまり現実性がありません。

不倫現場を映した防犯カメラ

あるマンションで、地下駐車場に駐車している車にイタズラをされる事件がありました。このマンションの規約では、必要な時に理事会のメンバーだけが録画を見る事ができるようになっていたため、理事会の皆さんと防犯カメラの記録映像を確認しました。

録画記録には子供達が駐車場内で遊んで車にイタズラをする様子とともに、マンション住人同士の不倫の様子が映っていて、なんとも気まずい空気の理事会になってしまったことがあります。2人はカメラの正面に立ち、顔もハッキリと映っていました。

抑止効果のなさが問題

ここで一番重要なのは、イタズラをした子供達も不倫をしていた大人達も、防犯カメラで撮影されていることに全く気づいていないということでした。マンションによっては企画担当者やデザイナーが美観を損ねるのを嫌い、防犯カメラを目立たないようしてしまいます。しかし防犯の見地からは、防犯カメラが目立つ方が良いのです。防犯カメラに「いま、あなたたちを撮影していますよ」と主張する存在感があれば、カメラの前で子供たちは車にイタズラをしなかったでしょうし、大人たちもキスをしなかったでしょう。

そこで駐車場や駐輪場などの盗難やイタズラが起こりやすい場所や、エントランス正面やその他の出入り口などの侵入がありそうな場所に行き、防犯カメラに気付くかをチェックしてみます。もし防犯カメラがどこにあるのか気づかないようであれば、防犯カメラの増設やダミーカメラの設置、または「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼ることなどを検討してみましょう。ステッカーはコストが安くて効果があるので、比較的導入しやすいと思います。

犯罪現場を映さないカメラが有用

実際に防犯カメラに映っているか、死角はないかを気にする方が多いようですが、それよりもまず侵入者が防犯カメラに撮影されていることに気がつくことが重要です。「ウチのマンションの防犯カメラは、何度も犯人の顔をバッチリ映してくれてました」よりも、「防犯カメラをつけてるけど、マンションで事件が起きたことがないんですよ」と言われる防犯カメラの方が、良い仕事をしていることが多いのです。これが犯行現場を映さない防犯カメラが優秀な理由です。

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防犯カメラはどのくらい役に立つのか

特に夜の暗闇の中では、全く存在に気づかないカメラもあるので、夜中に理事の皆さんと点検して、侵入者などがすぐに気がつくようにしましょう。セキュリティのチェックなどでお困りでしたら、以下のメールフォームからご連絡ください。

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