エレベーターが止まったマンション /地震の後も大変です

地震などでエレベータが止まることがあり、なかなかエレベータ会社の人が来てくれずに、何日も止まったままになっていることがあります。エレベーターが使えない高層マンションは大変ですが、お年寄りが多いマンションだと低層でも大変です。なぜ止まったままなのでしょうか。今回は地震とエレベーターについて、そしてエレベーターが止まったマンションではどうすれば良いのかを書いていきます。

地震波の伝わり方

地震波にはP波とS波の2種類があります。P波はprimary waveのことで、地震波の第一波になります。S波はSecondary waveのことで、地震波の第二波です。それぞれ速度が異なり、地面の中で進む速度はP波が秒速5〜7km、S波が秒速3〜4kmになります。そのため地震源ではP波とS波が同時に発生しますが、最初にP波が届くことになります。大きく揺れる前にカタカタと小さく揺れるのがP波による揺れで、これを初期微動と呼んでいます。

その後、S波が到着します。P波に比べてエネルギーがとても大きいため、体に感じる揺れや建物を損傷させるのは、このS波になります。そのためS波による揺れを主要動と呼びます。震源が近いときには、P波とS波の違いを感じることなく一気に大きな揺れを感じることになります。

地震を感じたエレベーターの動き

エレベーターには地震計が設置されていて、地震を感知すると地震管制が働きます。まず地震を感じたエレベーターは、最寄りの階に停止して扉を開きます。この場合は、カゴ内の人は速やかに降りて避難することができます。しかし場合によってはエレベーターがその場で停止し、カゴ内にいる人を閉じ込めます。

詳細な地震管制はメーカーによって異なりますが、大体似たような機能です。P波を地震計が感じると、初期微動地震管制が働き最寄り階に停止して扉を開きます。そしてエレベーターは機能を停止し、ボタンを押しても動かなくなります。S波による主要動が来ない小さな地震の場合は、一定時間が経過するとエレベーターは復旧して再び使えるようになります。

最寄り階に停止した後、S波による地震の主要動が来るとエレベーターは復旧することなく停止したままになります。復旧にはエレベーターの点検が必要で、エレベーター管理会社の社員が到着するまで動かないことになります。主要動による大きな揺れはエレベーターにダメージを与えている可能性が高いので、人間の目でチェックをしなくては安全が確保できないという判断があるからで、面倒ですがエレベーター管理会社の到着を待たなくてはなりません。

またP波の初期微動であっても、カゴの扉を開く際に各種センサーが異常を感じたら、扉を開けずにカゴ内の人を閉じ込めます。これは中の人の安全を確保するための措置で、あえて閉じ込めておいてエレベーター管理会社が安全確認を行ってから中の人を救出するようになっているのです。カゴの中の人が閉じ込められるのは、トラブルや欠陥ではなく中の人の安全を守るためなのです。

エレベーターの復旧

大地震で街中のエレベータが止まってしまった場合、保守点検会社の点検員の人数は限られていますから優先順位をつけて復旧作業を行います。

1.人が閉じ込められたエレベータ
2.病院や警察署など緊急を要する建物。
3.不特定多数の人が利用する施設(商業施設など)。
4.超高層マンション。
5.中高層マンション。
6.低層マンション。
7.個人住宅。

どのメーカーもこの順位とは限りませんが、だいたい同じような優先順位になっています。緊急度、重要度が高いところから優先してエレベータを復旧させるので、マンションによってはエレベータが止まってから数日間も使えないなんてことが起こります。

エレベーターはいつ復旧するのか

1棟のマンションのエレベーターだけが止まった場合なら、すぐに保守点検員がやってきて作業をしてくれます。ですから復旧にはさほど時間はかかりません。しかし関東一帯が大きく揺れるような地震ならば、止まってしまったエレベーターが数百から数千になる場合もあります。そうなると限られた人員で復旧を行うので、優先順位が低い低層マンションなどは復旧に何日もかかる場合があります。

止まったエレベータを一台一台チェックして、壊れている場合は修理してから普及するので、どうしても時間がかかります。しかしこのような手間は、エレベータの安全性を保つための重要な作業になっています。いつになったらエレベータが使えるのか?」と入居者の皆さんは口々に言いますが、いつごろ動かせるかはエレベータ会社にもよくわからないことが多いのです。

エレベーターの心構え

マンションの高層階に住む方は、日頃からエレベータが急に使えなくなることを想定して、食料の買い置きなどをしていると良いでしょう。また防災備蓄倉庫があるマンションが増えていますが、多くは1階や地階に設置されています。中間階の共用部に設置できるスペースがあれば、非常食の準備などを上層階向けに確保することを管理組合で話し合うなどして準備をしておきましょう。

糖尿病で人工透析を受ける必要がある方など、エレベータが止まっても外出しなくては命に関わる方もいます。理事会はそういった方の名簿などを揃え、非常時にはみなさんで協力できる体制を平時から作っておくことが大事です。普段の準備がいざという時の助けになります。名簿の提出を嫌う住人の方もいますが、災害時の備えはマンション住人全員で行うように心がけましょう。

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