ダジャレが多い建築部材 /聞けば機能がわかる商品

世の中には駄洒落で商品名をつけたものが多数ありますが、建築商材や建築部材にも駄洒落のネーミングが多数あります。なぜこんなネーミングになったのか、メーカーの担当者に問い詰めてみたい気持ちもありますが、今回は面白い商品名の建築部材を紹介してみたいと思います。

1.避難器具

避難器具には多くの駄洒落ネーミングの商品があるのですが、名前が紛らわしいものもあり間違えることもあります。ここでは有名な避難器具をいくつか紹介していきます。

1-①タスカール ナカ工業(株)

マンションの避難ハッチとしては最もメジャーな商品で、多くのマンションで採用されています。商品名は「助かる」からのネーミングなので、一度聞いたら忘れない名前と言われています。バルコニーからの避難器具は縄ばしごが主流だった1974年に、タスカールは伸縮式のはしごを内蔵した画期的な商品として発売されました。縄ばしごに比べて揺れにくいタスカールは、恐怖心のない避難器具としてその後のスタンダードになります。

1-②ユレーヌ (株)クマモト

タスカールほど有名な商品ではないですが、「揺れぬ」から名付けられたユレーヌという避難ハッチもあります。上記のタスカール同様に、内蔵はしごなので降りる際に縄はしごのように揺れないため名付けられたようです。販売している(株)クマモトは、マンションの物干し金物などでも有名です。

1-③ORIRO(オリロー) オリロー(株)

社名が「降りろ」からつけられた駄洒落で、主力商品もORIRO(オリロー)避難はしごです。こちらはバルコニーのない窓に取り付けることが多いので、マンションよりも事務所ビルでよく見かけることができます。

またタスカールのような避難ハッチもあり、こちらはマンションでちょくちょく見かけることがあります。そのためマンションのリニューアルの際には「避難ハッチはタスカールですか?オリローですか?」なんて確認の会話がよくあります。

1-④オリール トーヨー消火器工業(株)

こちらも避難はしごで、「降りる」の駄洒落が商品名です。避難はしごなので、あまりマンションで見ることはありませんが、オリローと紛らわしい商品名なので間違われることがあります。

2.文化シャッター

1955年に日本文化鉄扉(株)の社名で創立した文化シャッターは、当初は社名の通りシャッターが主力商品でした。1966年に文化シャッターに社名を変更し、現在はシャッターだけでなくドアなどのの建具、エクステリアなども発売しています。

2-①強常貼(ごうじょっぱり)

窓ガラスの内側に貼る防犯フィルムです。駄洒落も何も商品名もそのままで、フィルムは厚さ360ミクロンのPET膜3層構造の耐貫通性、耐衝撃性を持っています。以前はよく広告などを見かけたのですが、文化シャッターのサイトに記載されていないので、現在は販売していないようです。

2-②ヒクオス

室内用の折れ戸で、ヒクオスは「引く押す」という戸の使い方がネーミングになっています。ユニバーサルデザインでトイレなどに使用されることが多く、日刊工業新聞社主催「2006年読者が選ぶネーミング大賞ビジネス部門第2位」を受賞しています。

3.パナソニック電工

パナソニック電工はパナソニックグループ内で、住宅機器や建材、照明器具や健康家電などを製造販売している会社です。戦前は松下航空工業、その後は松下電工の社名でしたが、2004年に松下電器産業の関連会社から子会社になり、さらに2008年のナショナルブランド廃止により、パナソニック電工になりました。パナソニック電工には、駄洒落ネームの商品が売れるというジンクスがあるようで、駄洒落ネームが多い印象があります。

3-①アラウーノ

2006年に発売された陶器ではなく樹脂製のタンクレストイレで、TOTOとINAXが2強のトイレ市場で新たな勢力としてアラウーノは話題になりました。樹脂製なので軽いのが特徴で、水を流す度に泡によって汚れが落ちるのが特徴です。そのため「洗うの」の駄洒落ネームが名付けられたようです。また陶器と違って樹脂では汚れが落ちにくいのでは?と言われていましたが、硬度の高い有機ガラス系の樹脂によって水垢や汚れがつきにくいそうです。

3-②ウツクシーズ

ウツクシーズは洗面ドレッサーで、日本と英語混在の「美しいS」の駄洒落が商品名になっています。水をはじくスゴピカカウンターで、はっ水・はつ油性に優れているに優れているそうです。また美ルックツインライン照明で、従来の上からの照明では影になりやすいアゴの下などにも照明が当たるそうです。商品名が駄洒落なら、その機能も駄洒落になっていて、パナソニック電工らしい商品だと思います。

4.トステム

1923年に「妙見屋商店」として創業し、1949年には日本建具工業株式会社に社名変更しています。1971年にはトーヨーサッシ、1992年にトステムと社名を変更しています。住宅設備機器、建築資材の大手へと成長していき、2001年にはINAXと統合してLIXILグループになりました。この年にトステムから会社分割でトステム(株)が設立され、こちらは通称で二代目トステムと呼ばれています。

4-①ほせるんですII

こちらは戸建用の商品で、いわゆるテラス囲いです。「干せるんです」からの駄洒落商品名で、名前のまんまの商品です。

商品カタログ:ほせるんですII

4-②しまえるんです

いわゆるプリーツ網戸で、収納できる網戸です。「仕舞えるんです」という商品名は、説明不要だと思います。

商品カタログ:しまえるんです

まとめ

駄洒落が商品名になっているものをいくつか紹介しました。まだまだありますし、工事現場用の道具なども含めると膨大な数になると思います。駄洒落の商品名は世の中に多くありますが、建築建材や住宅設備機器などの分野では、かなり多いと思います。一度聞いたら忘れられない商品名なので、これからも駄洒落ネームは増え続けるんだろうと思います。

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