マンションを管理するのは誰か

マンションが空き家だらけになる、修繕積立金が不足する、やがて廃墟になるといった問題が語られています。現在のマンションが多くの問題を抱えていますが、その原因はほとんど1つに集約されると思います。多くのマンション住民が、誰がマンションを管理するのか誤解しているケースが多いのです。そこで今回はマンションを管理するのは誰か、という話を書いてみたいと思います。

管理会社が管理するのか

管理会社はマンション管理組合と「マンション管理委託契約」を結び、マンションの管理業務を行っています。そのためマンションの管理は、管理会社が行うものと思っている方が多くいます。しかし管理会社は、委託契約によって管理を委託されている営利企業に過ぎません。もちろん管理会社にとって、管理組合の利益は管理会社の継続的な契約に繋がるので、管理会社が前面に立って管理を主導することもあります。

しかしあくまでも管理会社は、委託されているに過ぎません。そのため多くのことが、管理組合の許可がないとできなくなっています。さらに管理組合の財産は管理会社のものではないので、極論すれば管理組合がどうなろうとも委託契約が続けばそれで良いのです。その例が大規模修繕工事の談合です。管理会社が主導して業者の談合を行い、高い金額で受注させてキックバックを得るのです。

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マンションの修繕積立金が狙われて

これは管理組合の利益を損ねる行為ですが、管理会社の利益になります。こんなことをしていたら管理組合の資金が底をついてしまうので、修繕積立金の値上げを提案します。値上げが無理なら金融機関に借金させて、高額な大規模修繕を行ってキックバックを得ます。管理組合の財務は悪化していきますが、管理会社の財務が悪化するわけではありません。こんな酷い管理会社ばかりではありませんが、管理会社が必ずしも管理組合の財産を守るわけではないのです。

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売主(不動産会社)が管理するのか

新築から10年間は売主のアフターサービス期間なので、定期点検などで売主と顔を合わせる機会があります。また多くの管理会社は売主のグループ会社や関連会社なので、何かと管理会社が話題にすることもあります。しかし売主はマンションを販売しただけで、販売者としての責任を果たしているに過ぎません。売ってしまったら、そのマンションは売主のものではないのです。

理事会が管理するのか

マンション理事会を構成する理事は、多くのマンションでは輪番制で選ばれています。中には自薦や他薦で選ばれることもあるようですが、一部の住民に負担がかからないように輪番制が最も多く採用されています。理事は管理組合の代表で、管理組合の業務執行機関にあたります。理事会は総会を開き、総会で決定したことについて実行しなくてはなりません。そのためマンション管理の大きな役割を担っていて、マンション管理の中心的役割になっています。

ではマンションの管理は、理事会に全て任せておけば良いのでしょうか。数年に1度まわってくる理事の期間だけマンションの管理に参加し、それ以外の期間はマンション管理に参加しなくても良いという考え方もあるかもしれません。つまり理事でない期間は自分の資産を他人任せにして、何年かに1度まわってくる理事の期間だけ自分の資産を自分で管理するわけです。果たしてそれで良いのでしょうか。

管理組合がマンションを管理する

多くのマンションでは「マンション管理は管理会社がするもの」「理事会がやるもの」と思っている住民が多くいます。これはお金持ちが「財産は税理士に任せてあるから大丈夫」と言って財産管理を丸投げしているのに似ています。万が一のことがあれば被害は全て自分にかかってきますし、そこで相手を批判してもお金が戻ってくるわけでもありません。

自分たちの資産は自分で守るしかなく、管理会社は任せるものではなく利用するものです。管理に彼らの専門知識は欠かせませんし、また煩雑で面倒な作業を理事会に代わってやってくれます。しかし管理会社に言われるがままに動いていては、それが自分達のマンションの利益になるのか管理会社の利益になのかわからなくなってしまいます。

それは理事会任せも同様で、ライフスタイルも人生設計も異なる人だけの意見にマンション管理を任せていたら、思っていた未来とはずいぶん違うものになってしまうかもしれません。積極的に動いてくれる人がいるので理事長をお願いして任せっきりにしていたら、理事長が暴走して困ったという管理組合は少なくありません。

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また理事長を任された人が5年後には売却するつもりで、短期的な資産性だけを考えてあれこれ決められてしまうと、長期的に住み続ける予定の人達の利益にはならないかもしれません。マンションを管理するのは、管理組合員一人ひとりなのです。

まとめ

マンションを管理するのは管理組合員一人ひとりになります。住民全員がこの意識を持っているマンションは管理状態が良いことが多く、住民間の問題も少なくなっています。逆に管理会社任せ、理事会任せにしてきたマンションでは大きな問題を潜在的に抱えていることが多く、問題が顕在化した時には簡単に解決できないほど重症化していることが大半です。しかし管理会社任せ理事会任せのマンションは今も多く、根深い問題になっています。一人でも多くの住民がこのことに気付き、マンション管理の活動に参加するようにならなければ、将来的に様々な問題を抱えることになります。

みなさんのマンションは大丈夫でしょうか。1日でも早くこのことに気付き、住民全員が自らの財産の未来に目を向けないと、取り返しのつかないことになりかねません。

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