中古マンションの内見で注目すべき共用部の4箇所

それほど多くないですが、中古物件の購入を検討している方から内見(内部見学)の同行を依頼されます。内装や間取りを見るのは当然として、中古マンションを購入する際には他にも見るべきところがあります。今回は、あまり知られていない中古マンションの内見で注目すべき共用部の4箇所です。

部屋の状態より大事なこと

中古マンションの内見というと、部屋の間取りや痛み具合を見るのが中心になりがちです。しかしマンション生活では共用部も使いますし、大勢の人と同じ建物で生活するのですから住民の質も生活に大きく左右します。そのため内見の際には部屋を見るだけでは不十分で、共用部のチェックも重要になっていきます。大勢の住民が使う共用部は、住民の質をチェックするにも有効です。共用部のどこを見れば何がわかるのか、そのポイントを紹介していきます。

①エントランスの床の高さ

マンション周辺の戸建てやマンションを見て、1Fの床が高くなっていないか確認します。もし1Fの床が高くなっていたら、浸水があった可能性が高いと言えます。浸水予想エリアはハザードマップを見ればわかりますが、過去に浸水があったエリアの全てがハザードマップに載っているとは限りません。行政も把握していない、過去の浸水エリアがあることは珍しくないのです。

マンションも同じく道路より高く建設されていれば良いのですが、1Fの床が道路より低くなっていたら浸水する可能性が高くなります。また住戸だけでなくエントランスの床の高さもチェックして、浸水の可能性がないか確認する必要があります。浸水が起こりやすいマンションは、維持費の出費が大きくなり安く、将来的に管理費や修繕積立金の大幅な値上げに繋がりかねません。

②駐輪場の自転車は整理されているか

二段式の駐輪ラックは使いにくいため、正規の位置に停めない人がいます。ラックの隣に駐輪したり、駐輪場の外に停めている人もいます。二段式ラックでなくても枠線の中に駐輪していない、明らかに使っていないボロボロの自転車があるなど、駐輪場がグチャグチャになっているマンションは多くあります。

駐輪場はマンション住民のモラルがよく現れる場所です。毎日使う共用部分で、住民が意識して使わないとすぐに乱れていきます。マンションは自分たちの財産のはずですが、その意識が希薄な人達が多いと駐輪場が荒れています。新築の入居開始から1ヶ月もしないうちに駐輪場が荒れているマンションもあり、住民のモラルが一目でわかってしまいます。

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③ゴミ置き場のゴミは整理されているか

駐輪場と同様で、ゴミ置き場も住民のモラルがよく現れる場所です。燃えないゴミの場所に可燃ゴミを置いたり、指定のゴミ袋を使っていなかったり、一目で仕分けができていないゴミが混じっていたりするマンションは少なからず存在します。特に後からゴミを置く人のことを考えず、大勢が好き勝手に置いているマンションは、他人に対する配慮や気遣いがない人が多く住んでいることがわかります。

ゴミ出しはマンションでも問題になりやすい部分です。そのためゴミ置き場が乱雑になっているということは、すでに住民間でトラブルが起こっている可能性もあります。ゴミ置き場は管理組合の雰囲気を最も象徴する場所だと言えます。

④敷地にゴミが落ちていないか

敷地内のあちこちにゴミが落ちていたり、集合郵便受の周辺に不要なチラシが散乱しているマンションは、多くの住民が自らが住んでいるマンションを大事にしていないことがわかります。大部分の住民が自らの資産であるマンションを大事にしていればゴミを捨てませんし、ゴミが落ちていたら拾うからです。捨てる人がいて拾う人もいないマンションは、住民の意識が低いと考えて良いでしょう。

管理組合内でトラブルを抱えているマンションにお邪魔すると、あちこちにゴミが落ちていることがよくあります。主張ばかりが強い住民が多いマンションでは自治が上手くいくはずもなく、マンション内の様子がマンションの見た目に現れてくるのです。

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まとめ

マンションの共用部で見ておきたいポイントを4つ紹介しました。どんなに部屋が良くても、マンションは共同生活の舞台です。どんな住民が住んでいるかで、その後の生活が一変することもあります。部屋ばかりを見るのではなく、ここに挙げた共用部も見るようにすると、より深く購入の検討ができると思います。

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