売り込みにきた怪しい業者さん02 /ゴミ処理機

私は デベロッパー の品質管理室に長い間勤務していたのですが、その中の重要な仕事の1つに新商品の検証がありました。大手デベロッパーには多くの新商品の売り込みがあり、中には怪しすぎるものもあります。そんな中で印象に残っているものを紹介したいと思います。今回はゴミ処理機の売り込みの話です。

ゴミ処理機の営業

この時やってきたのは、ゴミ処理機の営業でした。当時はディスポーザーを取り付けるマンションが増えていて、住宅内の生ゴミの処理は1つのテーマになっていました。ディスポーザーは自治体によっては設置できないので、生ゴミ処理機を設置することもありました。生ゴミ処理機にはバイオ式や乾燥式などがあり、大きさやコスト、騒音などでさまざまな検証を行っている最中でした。そんな時にゴミ処理機の営業が来たというので、とりあえず話を聞いてみようと思ったのです。

謎の仕組み

要領の悪い営業で、生ゴミ処理機の有効性を延々と語ります。ようやく本題に入ると、電気も火も使わないと言います。それならバイオ式かと思い「この商品はバイオ式だと思いますが、臭いが問題になります」と言うと、臭いは問題にならないし、そもそもバイオ式でもないと言います。「このゴミ処理機は、電気も火も微生物も使いません。ですから電気代もかかりませんし、安全で臭いもありません。数十分で生ゴミはキレイな灰になります」と言います。

どうやって生ゴミが灰になるのかわからず、動力を尋ねました。するとこの営業マンは「地磁気をご存じですか?」と言い出しました。もちろん知っています。地球が持つ磁気のことで、地磁気があるから方位磁針は北を指します。「この製品は業界初の地磁気を利用した商品で、ランニングコストがかからず安全なゴミ処理を実現しました」と自慢げに言い切ります。

そしてメカニズムを説明するのですが、私が習ってきた理科の知識からはかけ離れた内容で、一言も内容が理解できませんでした。「さっぱりわかりません。仕組みがわからないものは採用できないので、今日はお引き取りください」と言うと、猛烈な営業トークで粘ります。しかし私が知らない科学の話で、地磁気がゴミを灰にするなんて意味がわかりません。まだ原子力を使うと言ってくれた方が理解できます。そして挙げ句の果てには、「できあがった灰は、昔話の『花咲か爺さん』の灰と同じもので、植物が驚くほど育つんです」とまで言い出しました。それまで丁寧かつ遠回しな言い方で「帰ってくれ」と言っていた私ですが、さすがにストレートに「帰れ」と言いました。

悪ふざけではない現実

この営業の方は、ネクタイを締めて誠実そうな人柄に見えました。そして頭がおかしいようにも見えませんでしたが、トンデモ理論を大まじめに話していました。心から製品の素晴らしさを訴え、本気で効果があると思っているようでした。現物を持ってくると言っていましたが、あまりに無茶苦茶な説明だったのでお断りしました。

何かカルト的なものを感じる商品説明でしたが、賃貸マンションへの納入実績もあたので売れているのでしょう。2000年代初頭は、この手の営業が多くありました。今はさすがに減っていると思うのですが、どうなんでしょう。効果そのものよりも、効果を得るプロセスが不明なものには手を出すべきではないと思います。

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