新築マンションが買った直後に2割安くなる理由

中古マンションの人気が高まっていますが、その理由の1つに新築は買った瞬間に2割ほど価値が下がるが、中古はそれほど落ちないと言われています。果たして本当にそうなるのか、本当に新築マンションが買った直後に2割安くなるのか、なぜ2割も価値が落ちるのか、その仕組みを解説したいと思います。

マンションの価格決定の流れ

マンションの建設は土地探しから始まります。駅前にちょうど良い土地があったとしましょう。地主さんと交渉して、その土地を5億円で購入することにしました。そして設計事務所に設計を依頼し、建設会社に施工の発注を行います。設計料と建築費は合計で15億円でした。

土地代5億円+建設費15億円=20億円

ちなみにこのマンションは50戸です。20億円÷50戸=4000万円になるので、1住戸につき4000万円かかっていることになります。しかしこのマンションを1住戸4000万円で売ってしまうと利益がないばかりか大損することになってしまいます。

新築マンション販売にかかる経費

①金利

ほとんどの不動産会社は、土地購入費の5億円と建設費の15億円を銀行から借入ます。そのため金利がかかっていて、販売価格に金利分も含めないといけません。この金利が厄介なのは、全戸が完売しないと借りたお金を全額返済できないので、完売が遅れれば遅れるほど金利がかかるということです。

②人件費

販売に携わる営業マンの人件費も必要です。マンションの規模にもよりますが、新築マンションの営業には数人から数十人の営業マンが販売を行っています。彼らの給料も販売価格に含まなくてはいけません。また売主が直接販売するのではなく販売代理の会社を使う場合は、販売代理の手数料なども含まなくてはいけません。

③モデルルーム

営業マンと同じくモデルルームの建設費用も必要です。駅の近くに豪華なマンションモデルルームが建設されているのを見ることがありますが、あのモデルルームを建てるためには土地を借り、建設して最後には解体しなくてはいけません。マンション外に独立して建設されるモデルルームは数千万円の費用がかかっていて、これも販売価格に含まれます。またモデルルームで使われるコピー代、電話代などの通信費用も販売価格に含まれます。

④広告宣伝費

マンションを販売するには、広告を出したり宣伝を行わなければ集客ができません。誰もが欲しいと思っている土地に建つマンションならさほど広告は必要ないかもしれませんが、そうでもなければ新聞チラシに入れたりwebサイトを立ち上げたり、不動産情報のサイトに掲載したりするなど様々な宣伝が必要になります。

今は少なくなりましたが、テレビCMを流すマンションもあります。テレビCMは尺や放送時間帯にもよりますが、最も費用がかかる広告の1つで、これも販売価格に含まれることになります。

⑤支店経費・本社経費

新築マンションの契約手続きには、様々な人が関わります。契約書を作成したりローン手続きなどを行うのは、販売している営業マンではなく支店で行っている場合があります。そうなると、これらの人々の給料も販売価格に含まなくてはいけません。それだけでなく支店の人件費、言うならば支店長の給料の一部も販売価格には支店経費として含まれます。支店だけでなく本社の経費も必要になります。新築マンションの価格の一部には、社長さんの給料の一部も含まれているのです。

⑥アフターサービス費用

新築マンションにはアフターサービスが必ず必要です。大手の不動産屋にはアフターサービス部があり、何人もの社員を抱えています。またトラブルが発生した場合には、売主の費用負担で修繕や回収を行う必要があります。そのためアフターサービスが発生した場合の費用も新築マンションの販売価格には含まれています。

また新築販売時に設計変更を行うサービスをしているマンションが多くあります。これはアフターサービスとは違いますが、売主側が顧客の注文を間違えてしまった場合の費用も販売価格に含まれていることがあります。某大手不動産屋の建築部の方が「1000戸を超えるマンションで設計変更を受け付けていたら、1つか2つは間違いが必ず起こりますよ。予算をとっておかないと対応ができなくなります」と言っていました。

経費は全て販売価格に含まれる

これらの経費は、全て新築マンションの販売価格に含まれます。この経費は売主会社の規模や販売方法などによって変わります。支店が存在しない小規模の会社、テレビCMどころか広告をほとんど出さないケース、借地の都合でモデルルームを短期間に作り直さなくてはならない場合など、そのマンションの販売方法によって経費は変わっていきます。これらの経費は総費用の10%から20%ぐらいはかかっています。先ほどの例に挙げたマンションで考えてみましょう。

土地代5億円+建設費15億円=20億円

これに20%の4億円が加算されて24億円になります。このマンションは50戸ですから24億円を50戸で割ると、1住戸あたり4800万円になります。この4800万円が販売価格です。あとは階数などによって価格を安くしたり高くしたりしますが、販売金額の合計が24億円になるように調整しています。

中古マンションには経費が含まれない

ここに挙げた経費は新築マンションにだけ含まれる物で、中古で販売する時には個人が販売するためこのような経費が含まれることはありません。そのため新築マンションを購入し、全く住むことなく1週間後に転売したとしても、これら経費は含まれずに販売されることになります。そのため中古で販売する時は、経費分の2割は安くなってしまうと言われているのです。

中古マンションの価格を決めるの市場の相場ですし、どうしても買いたいと思う買主がいれば市場価格より高い価格で契約が決まることもあります。そのため絶対に経費分は安くなるという訳ではないのですが、大抵のマンションは築1年以内に中古で販売しても新築時の1割から2割の経費分は安くなってしまいます。この新築にだけ付加される経費を「新築プレミアム」と行った呼び方をする人もいます。

まとめ

新築マンションには中古マンションにはない経費が10%から20%ほどかかっています。そのため中古で販売する際には、その経費分は安くなると考えた方が良いでしょう。そこに経年数やエリアの人気度などが加味されて市場価格が決まっていきます。こうした経費がバカバカしいと考える人が、中古マンションに流れています。日本は長らく新築主義でしたが、ここ数年でそれが変わりつつあります。現在の住宅市場は転換期を迎えつつあります。

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