マンション建築時にビックリしたことベスト5

今回は少し嗜好を変えて、マンションの建設時の話です。私は ゼネコン を経てマンション デベロッパー の建築部門にいたので、多くのマンション建設の現場に関わってきました。その中で、工事中にビックリした出来事を紹介したいと思います。マンション建築時にビックリしたことベスト5です。

5位 ヤクザがやって来た

以前は、建設現場だというと暴力団関係の人がやってくることがよくありました。何をしに来るかというと、難癖をつけてお金をもらうためです。「そこの現場の前を通ったら、針金が突き出てて腕を切ったから慰謝料よこせ」みたいな話はよくありました。しかし1991年に暴対法が施行されてから、この手の人はほとんど来なくなりました。ところが90年代後半頃に、私が現場監督としている現場にヤクザがやってきました。

インターホンも鳴らさずいきなり入ってきたのですが、お笑い芸人のコントかと思うほど反り繰り返ったパンチパーマの男が入って来たんです。「どちら様でしょうか?」と尋ねると、名前を名乗らずに「門松を買え」です。現場では買えないので支店の方に行ってくださいと言うのが決まりなので、そのように伝えると写真を出して「こんな立派な門松がたった50万円だ。工事中に事故が起こらないように買っとけや」みたいなことを言います。

私はテープレコーダーのように「現場では買えないので、支店に行ってください」を繰り返します。すると「じゃあ45万でいいぞ」「30万円ならどうだ」「20万か?」と、どんどん値引きをしていくんです。もうどうしていいかわからなくなってきた時に、電話が鳴ったので「失礼します」と言って電話に出ました。すると外出していた現場所長からでした。

「今、駅に着いたところだけど変わったことない?」と呑気な声で所長が言うので、私は声を潜めて「今、その筋の方が見えてます。門松を買って欲しいそうです」と伝えました。すると所長は「そうか、じゃあ僕はコーヒーでも飲んでから帰るよ。あ、門松は買っちゃ駄目だからね」で、電話が切れました。これ、一部上場企業の所長ですよ。もうびっくりしました。この所長には絶対についていくまいと決意した出来事です。

4位 迫撃砲の設置

都内のあるところに高級マンションを建設することになりました。販売の目玉の一つになる物件です。近隣に説明を済ませ、工事が始まると会社にお手紙が来ました。封筒の中身は英語で書かれていて、下には差出人のサインが書かれています。最初に英語をネイティブに読める社員がサラッと読んで首をひねり、私にも読んでみるように言います。なんと送り主は某国大使館の一等書記官でした。その大使館は、建設中のマンションのすぐ近くにあります。

硬い文章で読むのに苦戦しましたが、なんとか言いたいことはわかりました。大使館としてはマンション建設に高い警戒心を持っているとのことで、特に最上階の東南の角部屋のバルコニーに迫撃砲を設置すれば、大使館を攻撃できると書いてあります。さすが軍事独裁国家!考えることが私たちとは違います。続きを読むと、提案が書かれていました。攻撃に利用可能な東南の角部屋と、その隣の部屋ふたつを、くれと書いてあるのです。優先的に売ってくれでも貸してくれでもなく、くれです。私も首をかしげてしまいました。軍事独裁国家は、やっぱり何から何まで考えることが違いますね。この件はお断りのお手紙を書くことで決着しました。

3位 雨どい屋の遅刻の言い訳

400戸以上あるマンション建設工事の話です。マンションの鉄筋コンクリートの 躯体 工事がどんどん進んでいたのですが、雨どい工事が遅れていました。他の現場が忙しくて、職人が来ないのです。そこで明日は絶対に来いと何度も言い、業者も「明日は必ず現場に入ります」と固く約束をしてその日は終わりました。そして翌日です。現場は朝8時から始まりますが、職人が来ていません。私もさすがに頭にきました。それですぐに携帯電話に連絡しました。ところが話し中です。当時、携帯電話を持っている人はそんなに多くなかったんですが、その職人は持っていました。でも話し中なら仕方ありません。

9時に電話しても話し中、10時に電話しても話し中、10時半頃に電話したら繋がりました。「おい、今どこにいるんだ。今日はこっちに来る約束だっただろ!」私は怒り心頭です。すると雨どい屋は悪びれた様子もなく「渋滞で車が動かないんですよ」と言います。8時に現場に着くはずが、10時半になっても到着しない渋滞ってどんな渋滞でしょう。嘘に決まっています。「わかった、怒らないから本当のことを言ってくれ」と私は言いましたが、「東京で大事件があったから、警察が交通規制しているみたいなんですよ」なんて言います。「はあ、なに言ってんの?」って感じですよね。

「今朝、東京に毒ガスが巻かれて700人ぐらい死んでるんだよ」

今までいろいろな遅刻の言い訳を聞いてきましたが、毒ガスを巻かれたから遅刻しますなんて言い訳は初めてです。さすがに頭にきて怒鳴りつけました。ところが職人は必死に言います。「嘘なんか言ってないよ。テレビを見てみろよ。俺の言っていることが嘘じゃないってわかるから!」と訴えました。そこで私は現場事務所のテレビをつけました。その日は1995年3月20日、地下鉄サリン事件があった日なんです。いろいろな意味で忘れられない日になりました。

2位 人骨発見

基礎工事のため地面を掘っていると、作業員が「これ骨だぞ!」と大声で言い出しました。見るとユンボの先に確かに骨のようなものが見えます。動物の骨だろうと思ってもう少し掘ってもらうと、どう見ても人間の頭の骨に見えるものが出てきました。一斉に職人が穴から出てきて「ムリだ」と言います。私も焦って警察に連絡しました。しかし電話口の警察はかなり呑気な声で誰かを行かせるみたいなことを言います。

警察の人がやって来て、穴の中の骨を一瞥すると「多分、事件性はないでしょう」と簡単に言います。どうやらこの辺りは戦争時に埋葬された人の骨が出てくることがよくあるそうで、今回も恐らくそれだと言います。一応鑑定するということで、骨を持って帰りました。やっぱり戦時中の骨ということになり、工事を進めて構いませんということになるのですが、この骨は残土と一緒に処分するの?と、ちょっと揉めたりしました。

1位 無人の事務所

これは私の話ではないのですが、同じ部署の人が担当していたマンションで起こりました。マンション建設中の現場の事務所に電話をすると、誰も電話に出ません。何度コールしても誰一人出ないのは変です。8時から現場では工事が始まっているのですから、事務所が無人なのは変です。所長の携帯電話にかけてみますが、話中です。何度かけても話中です。ようやく所長が捕まったのは11時過ぎでした。

「もしもし、事務所は誰も電話に出ないけど、何かありました?」
「今、工事をストップして、全員が避難中です」

えっ!?って感じですよね。事情を聞くと、こういうことでした。根切と言われる基礎を作るための穴掘りをしていたところ、地中になにか埋まっているのを発見しました。パワーショベルで掘り出してみると、大きな金属の玉のようなものでした。パワーショベルですくって取り出すと、職人の一人が重いので持てないから蹴って事務所の前にある水道の前まで持ってきたそうです。そして金属の玉を洗いました。そして彼らは気づいたのです。これは爆弾だと。

すぐに所長に知らせ、所長は役所に電話すると自衛隊が向かうので、絶対に触らずに避難してくださいと言われました。いえ、蹴っ飛ばしてここまで持ってきたんですけど?と言っても、いいから避難しろと言われ、工事をストップして全員が現場の外に避難したのだそうです。やがて自衛隊の人が来て、爆弾を確認するとひょいと肩に乗せて持って帰ったそうです。このことはお昼のニュースで報じられていました。

まとめ

私がマンション建設に関わっていた時に起こった事件のベスト5でした。他にもいろいろビックリすることがあったので、またそれは改めて書きたいと思います。

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