マンションの割高な修理依頼 /どこに依頼するかで価格は変わる

キッチンの水漏れ、フローリングの傷など専有部の修理を個人で依頼すると、思ったより高額の請求が来て驚かされることがあります。作業そのものは簡単に済んだのに、なぜ何万円も請求されるのかと憤慨する人もいます。しかし場合によっては、かなり安くできることもあるので、今回は修理を依頼する時の注意点を書いてみたいと思います。

私の友人のケース

友人のマンションで、自宅のキッチンから水漏れが起こりました。慌てて管理会社に連絡したところ、すぐに駆けつけてくれたそうです。管理会社の人は漏れているのは給水管だと確認すると、すぐに修理業者を手配してくれて、作業は1時間程度で終わりました。修理はパッキンの交換で、ネットで見ると数百円で売られているものでした。

しかし送られてきた請求書は約5万円で、友人は驚いてしまいました。1時間程度の作業で材料費は数百円です。それなのに5万円というのは、あまりに高すぎると感じて私に連絡してきました。しかし業者さんの経費や職人さんの費用を考えると、やや高いながらもこんなものだろうと思える金額です。友人はボッタクリを疑っていましたが、そんなことはないと思います。

工事業者の請求の内訳

管理会社は自分で工事することはないので、専門業者に依頼して工事を行なってもらいます。工事業者は、以下のようにして価格を算出します。

・交換部品の価格(材料費)
・カッターの刃、ビニールテープなどの消耗品費
・工事する職人の人件費
・職人の交通費(ガソリン代も含む)
・職人の車の駐車場費
・その他、出費があるものの費用

工事業者の経費

修理費の内訳は、だいたいこんな感じです。これ以外には、管理会社へ支払う紹介料が含まれているかもしれませんが、これは後で書きます。職人の人件費は、上記の友人の場合だと2万円ぐらいでしょうか。たかだか30分程度の仕事で、パッキンを取り替えるだけなのに2万円は高すぎると思われるかもしれません。しかしこの職人さんは、友人のマンションに行かずに他の現場仕事をしていたら、2万円ぐらいは稼げるのです。同等の費用を払わないと、修理に来てくれないのです。つまり職人さんの費用は、どんな仕事をするかではなく、その人を拘束する日数で決まるのです。

取扱説明書を見てみよう

ほとんどのマンションには、部屋の中にある器具のあらゆる取扱説明書をまとめたファイルが置かれています。マンションの引き渡しの際に一緒に渡されるか、予め部屋の中に置かれているので、住人方は皆さんどこかに大事に保管していると思います。

各戸に置かれている取扱説明書には、サッシ、ユニットバス、照明器具、キッチン、洗面化粧台、便器などの取扱説明書が含まれているのですが、その中に修理を依頼する時の電話番号が書かれています。こちらに電話をすれば、メーカーの修理を受けることができるのです。この場合、修理業者に頼むよりも安くなることがあります。メーカーにもよりますし器具によっては大して変わらないこともありますが、TOTOやLIXILなどの大手であれば安くなることの方が多いと思います。

なぜメーカーだと安いのか

メーカーであっても提携している工務店や修理業者に連絡して工事に行ってもらうこともあり、その場合はほとんど値段は変わりません。しかしメーカー自体でアフターサービス用の工事部隊を抱えているところもあり、彼らは工事をすることだけが目的でない場合があるのです。例えば水栓器具が故障した際にやってきたLIXILの人は、アンケートを依頼してきました。彼らは故障の修理だけでなく、器具の経年劣化状況を調査したり顧客のデータを集めるなども目的だったようです。

メーカーは顧客の使用状況を調査することで、商品開発のデータにしていますし、キャンペーンなどのチラシも置いていき宣伝もしていきました。このように工事で利益を得る工務店とメーカーでは考え方が違うので、安くなることが多いのです。個人的な経験ですが、近所の工務店で見積もってもらったら最大で7万円と言われた修理が、LIXILに直接電話して来てもらったら1万円ちょっとだったことがありました。

管理会社の紹介料

冒頭に書いた私の友人は管理会社経由で修理を依頼して、修理業者から請求書をもらいました。しかし管理会社から請求書が送られてくるケースもあります。管理会社から送られてくる場合は、ほぼ間違いなく管理会社の経費が乗っていて、その分だけ金額が高くなっています。修理業者から送られてくる場合は管理会社の経費は乗っていませんが、紹介料が含まれている場合があります。

管理会社は指定した修理業者に修理に行かせる代わりに、工事代金の10%から20%を紹介料として業者に請求するのです。その金額が請求書に含まれているのです。これは全ての管理会社が行っているわけではありませんが、多くの管理会社で行われています。管理会社が紹介料を貰っているとはなかなか言いませんが、工務店と付き合っていると「あの管理会社は紹介料を20%も要求してくる」という愚痴が漏れるのは珍しくないのです。

まとめ

取扱説明書が、どこにあるか確認しておきましょう。そして連絡先が修理の窓口が書かれているものは、まずそちらに電話して修理の金額を聞いてみると良いと思います。こちらの方が安くなる場合が多いので、ぜひ試してください。管理組合の理事の方は、共用部の取扱説明書がまとめられているファイルがあるはずなので、それがある場所を確認しておいた方が良いでしょう。共用部でも同じく、直接メーカーに連絡した方が安く済むことが多いので、電話してみてください。

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