戸建てとマンションどちらを買うべきか

かなり昔から戸建て派とマンション派の議論が続いていて、結論は出ていません。それは当然のことで、戸建てが良いとなればマンション デベロッパー が倒産していますし、マンションが良いとなれば戸建てメーカーが倒産しています。どちらも共存しているということは、それぞれに良さがあるからです。大事なのはそれぞれの特徴やメリット・デメリットを抑えておくことだと思います。

ライフスタイルによって変わる価値

同じ人であっても、その時の家族構成や年齢、通勤状況などによってマンションが向いているか戸建てが良いかは変わってきます。当然ながら現在と20年後では、勤務地が変わっていたり子供が独立していたりと状況が変わるので、どちらが良いかは変わってきます。そのため本来はマンションか戸建てかを決めて、それに一生住み続けるというのは無理があるのです。「○歳になるからそろそろ」とか「結婚したことだし」という漠然とした理由で住宅購入を考え始めることが多いと思いますが、自分の将来を考えつつ転売も念頭に起き、マンションを購入するか、戸建てを購入するかを考えていきましょう。

①戸建て

①-1戸建てのメリット

戸建ての最大のメリットは、自己責任で維持管理が可能なことです。マンションのように住民の合意形成をする必要がなく、せいぜい家族会議ぐらいが必要な程度です。壁を塗り替えたり屋根の防水をやり直したりと、必要だと思った時に必要な修理を行うことができます。またマンションのように決まった額の修繕積立金がないため、自身の判断でお金を貯めることも可能です。毎月1万円ずつでも5万円ずつでも自由です。あらゆることが自由に決められる反面、全て自己責任で行うことになります。

また騒音問題に関しては、戸建ての方が悩まされなくて済む場合が多いでしょう。もちろん戸建てにも近隣からの騒音が問題になることがありますが、騒音問題は圧倒的にマンションの方が多く起こっています。お子さんが小さい家では、どんなに注意しても下階に足音が響きますが、戸建てならそのような問題がありません。

一般的にマンションより戸建ての方が室内が広くなっていますし、庭付きの生活を望むなら戸建てになります。また戸建ては駐車場がついている場合が多いので、マンションのように別途駐車場代がかかることがありません。

①-2戸建てのデメリット

マンションと同程度の金額なら、戸建ての方が駅から遠い立地になることがほとんどです。駅にもよりますが、駅近物件で戸建てを探すと、かなりの高額になることがほとんどです。そのため駅に近い立地で探すと、価格が高いのが戸建ての最大のデメリットになります。

また戸建ては自由に管理ができる反面、全て自分で行わなければいけません。屋根の防水をやり直したり、壁を塗り直したりなどマンションでは共用部としてやってもらえる部分を、自ら業者を探して行わなければなりません。修繕金の貯蓄も含め、全て自分で行うことになります。

②マンション

②-1マンションのメリット

マンションの最大のメリットは、価格の安さです。戸建てのデメリットの裏返しで、駅近の同じ場所なら、戸建てに比べてマンションは大幅に安く買うことが可能です。特に大規模物件なら割安感があり、場所によっては戸建ての半値くらいで購入することが可能です。都内の一等地ならマンションは1億円くらいしますが、その近くの中古戸建てが2億円というのは珍しくありません。そのため戸建てと同価格でマンションが買えるエリアもありますが、そういう場所ではマンションの価値はあまりないと言えるでしょう。

またほとんどのマンションは鉄筋コンクリートで建てられているため、堅牢性が戸建てより勝ります。全般的にマンションの方が災害に強く、品川区などはマンションの共用部を災害時の避難所として活用することにしていることからも、安全性が高いと考えられます。水害などは上層階であれば浸水の危険が低いですし、現在のマンションなら地震で倒壊する心配もほとんどありません。

②-2マンションのデメリット

マンションの最大のデメリットは、合意形成が難しいことです。戸建てなら壁の塗り直しは家族会議で決めれば良いですが、マンションの場合は全住民の過半数の合意が必要になります。建て替えになれば4/5の合意が必要で、共用部は何をするにも合意形成が必要になります。そのため誰の目にも修理が必要な状態にも関わらず、そのまま放置されているマンションを見かけることもあります。

またマンションにもよりますが、維持管理費がとても高いものがあります。タワーマンションはその典型で、高すぎて足場を掛けられないので、外壁のメンテナンスがどうしても高額になってしまいます。また地震による倒壊はないものの、修理費用が多額になる場合があります。

マンションは一生涯住むものではなかった

もともとマンションは、何十年も住み続けて終の住処にするようには考えられていませんでした。マンションは購入した人はやがて売却して戸建てに住むと考えられたシステムでしたが、同じ人が何十年も住み続けることになったため、建物の老朽化と住民の高齢化が同時に進行して様々な問題を引き起こすことになりました。

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老朽化したマンションを修繕するのに修繕積立金が足りず、年金しか収入がない住民がほとんどだと値上げもできない状態に陥っている管理組合が増えています。継続的に若い人が流入していればこのような問題は起こらなかったのですが、ほとんど同じ人が住み続ける現場では、この問題は避けて通れません。そのためマンションは転売を前提に考えるべきで、将来に備えて資産価値を高めておく必要があります。

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まとめ

戸建てとマンションは一長一短で、どちらが良いというものではありません。それぞれにメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴を知り、自分達のライフスタイルに合ったものを選ぶようにしましょう。その中で大事なのは、自分達が何を優先して家を選ぶかよく考えることです。どちらを選ぶにしろ、後悔のない住宅選びを行ってください。

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