東雲タワーマンション街にできる物流センターに起こる反対の声

東京江東区東雲(しののめ)は、東京の湾岸エリアとして知られています。近年は豊洲と並んでタワーマンションが多く建設されており、新興住宅地として高い人気を誇るエリアでもあります。そんな東雲に物流センターができるため、多くの住民が反対しているそうです。なぜタワーマンションが並ぶ東雲に物流センター建設が噂されているのか、その理由を見ていきましょう。

東京都江東区東雲とは

東京都江東区の湾岸エリアに位置します。いわゆる東京湾の埋立地で、豊洲とともに関東大震災の瓦礫を埋め立てることでできた土地です。当初は工業用地として栄え、三菱製鋼などの工場が並んでいました。しかし1980年代後半になると豊洲再開発が始まり、工場を横浜方面に移設して住宅や商業施設が建設されるようになりました。これにより東雲も再開発が進みました。

※赤く囲まれた部分が東雲です。

2001年には三菱製鋼の工場跡地に、商業施設とマンションを併設した東雲キャナルコートがオープンし、豊洲エリアには2006年にアーバンドックららぽーと豊洲がオープンします。こうした再開発によって街のイメージは変わり、住みたい街ランキングの上位に名を連ねるようになっていきます。さらに東京湾の湾岸エリアでは湾岸戦争と呼ばれるマンションの建設ラッシュが進み、東雲にもタワーマンションが多く建設されました。工業地帯だった東雲は、今や人気のお洒落な街として生まれ変わっています。

建設される物流センター

江東区東雲1-7-30に大和ハウスが所有する土地に、物流センターが建設されるという噂がネットで流れ、東雲に住む人たちが反対の声を上げています。人気のお洒落な街にマンションを購入して移り住んだはずが、その流れに逆行するような物流センターが建設されることに異議を唱えたわけです。

大和ハウスは2005年にも、有明1丁目にユニクロなどを保有する(株)ファーストリティリングの倉庫を建設しています。物流事業に力を入れていて、今回話題になっている土地に、物流センターが建設されるのは必然だったのかもしれません。また東雲の用途地域は準工業地帯なので、今後も倉庫や配送センターなどが建設される可能性も残っています。

※ファーストリティリングの大和物流

準工業地域とは何か

東雲は用途地域が準工業地域と書きましたが、準工業地域にマンションが建設されることに違和感を覚える人もいるかもしれません。ここで工業系の用途地域3つを整理しておきましょう。

①工業地域とは

都市計画法には「主として工業の利便を増進するため定める地域」と書かれています。そのため環境を悪化させるおそれがある工場や危険物の貯蔵施設の建設が認められています。こういった施設が建設可能なため学校や病院、映画館やホテルなどの建設はできません。しかし工場で働く人たちの利便性を考慮して、一戸建てやマンションの建設は認められています。

②準工業地域とは

都市計画法には「主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域」と書かれています。そのため危険性の高い工場や貯蔵施設は建設されません。危険性がある工場などがないため、学校や病院、レジャー施設なども建設が可能になっています。また住宅も建設可能になっています。

③工業専用地域とは

都市計画法には「工業の利便を増進するため定める地域」とされていて、住宅も学校も病院も建設することができません。コンビナートなどが並んでいるエリアで、住んだり生活したりすることができないエリアになっています。

工業系地域で起こったマンション建設ラッシュ

このように工業地域と準工業地域には住宅の建設が可能で、東京湾岸エリアのこれらの地域にはタワーマンションが多く建設されています。第三次平成不況(2000年から2002年頃)の頃に、経営難に陥った大手企業が資金繰りのために工場や倉庫などを相次いで手放しました。巨大な工場跡地の広大な土地の多くは工業地域か準工業地域で、これらをマンションデベロッパーが購入し、タワーマンションを建設していきました。

商業施設を併設したタワーマンションなどが人気となり、2004年には相次ぐ建設ラッシュからマンション湾岸戦争と呼ばれるようになり、多くのデベロッパーが参入して販売合戦が起こりました。この頃からタワーマンションが一気にブームになり、都内の利便性の良い場所に住んで景色を見下ろすことがステータスと言われるようになりました。

関連記事
マンションの特徴を時代ごとに解説します /中古マンション選びの参考

工業系の用途地域なら起こりうること

元々が工場や倉庫などのための用途地域で、住居が建設可能といっても工場に勤務する人のための住居を想定していたに過ぎません。東雲は江東区の都市開発マスタープランでは、新しい複合都市の形成に力を入れています。しかし準工業地域では従来の使い方を求めて今後も倉庫や配送センターなどが建設される可能性はあります。

特に東雲のように現在でも工場がある地域では、今後も同じような施設が建設される懸念があります。そうなれば大型トラックが出入りが増えることになるので、環境面の変化が起こることが考えられます。反対運動が起こることもあるでしょうが、いったん建設が決まると覆すのは難しいでしょう。

まとめ

工業系の用途地域にはすでに多くのマンションが建設されており、特に湾岸エリアには多くのタワーマンションが建設され人気となりました。工業地域・準工業地域では今でも工場が建設される可能性があり、大型車両の出入りが一気に増える可能性があります。こういった変化はつきものなので、マンションを購入する際には注意が必要です。購入する際には用途地域も十分に考慮しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です