良い修理業者をどうやって見分けるか /業者選定の際のポイント

マンションの修繕工事を行う時に、管理会社などを通さずに直接発注したいという管理組合が増えてきました。その際に、どうやって業者を選べば良いかという質問も増えています。今回は修理業者を選ぶ際の注意点を書いてみたいと思います。良い修理業者をどうやって見分けるかを考えてみましょう。

良い業者を見分けるべきは「やる気」と「技術力」

修繕を依頼するのに、価格ありきで決める傾向にあります。そのため安いことを売りにする会社が多いのですが、価格よりも業者の「やる気」と「技術力」が重要です。やる気がなく依頼されたから工事をするような業者だと、工事中に他の問題が発覚しても気づかないふりをしてしまうこともあります。また工事前の予想と違って時間がかかることがわかった場合、相談もなく予定とは違う方法で修理することもあります。工事に想定外のできごとはつきもので、無断で安易な方法で修理されると、後々面倒な事態を引き起こすことがあります。

技術力は想定外のできごとの際にも発揮されますが、そもそも間違った方法で工事をしてしまうケースも多くあります。技術力がない業者は、やりやすい方法で工事を終えたがるので安くなるメリットもありますが、修繕した場所の耐久性などに問題が出ることがあります。価格ばかりを気にするのではなく、「やる気」と「技術力」をどれだけ見定めることができるかが重要です。

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修理業者にも種類がある

左官 屋さんの仕事は モルタル などで壁を塗る仕事ですが、同じ左官屋でも業者の種類があります。大きく分けると町場(まちば)の業者と野丁場(のちょうば)の業者になります。町場とは個人のお客さんを相手にしている業者のことです。マンションでも戸建てでも関係なく、お客さんの要望に応じてあらゆる仕事を行っています。個人事業者が多く、会社であっても数人で動く小規模なものが主流で、小回りが効くのが特徴です。

野丁場はゼネコンの現場のことで、大規模な工事現場になります。マンション建設に参加しているのは野丁場の業者で、会社の規模も数十人の職人を抱えている場合が多いです。彼らは個人客の仕事を請けることは稀で、ゼネコンの建設現場に出入りしています。

同じ職種の業者でも、町場の職人と野丁場の職人では似ているようで多くの点が異なります。まず料金が違います。大抵の場合、町場の方が安いです。会社の規模が小さいので経費が安く抑えられ、社会保険にさえ加入していない業者も多くいます。それに加えて過当競争を値引きで乗り切ってきた業者が多いので、価格を安く設定する傾向にあるのです。一方で技術レベルは野丁場の業者の方が高いことが多いです。一般の方と専門家集団のゼネコンでは求めるレベルが違うからです。そのため業者の特徴を掴んで適材適所で雇う必要があります。

自分の部屋の中の修繕でしたら町場の業者で行う方が安くできます。しかし共用部、特に外壁など人を怪我させる可能性がある場所の工事は、野丁場の慣れた業者の方が間違いが少ないです。普段は町場がメインなのか野丁場がメインの業者なのかは、直接ヒアリングしてみないとわかりません。

見積書は詳細に書かれているか

工事を依頼する時は、なるべく複数の業者に見積書を出してもらいましょう。そして見積書の記載内容をよく見て下さい。どれほど見積書が詳細に書かれているかが重要です。

・下地処理 一式 ¥80,000
・壁下地処理 22㎡ ¥80,000 カップ掛け プライマー処理

この2つでは、下の方が細かく書かれていますね。上のように「一式」と書かれている見積書では、範囲も施工方法も不明です。また交通費などを経費などでまとめて書いてくる会社もありますが、駐車場代なども分けて細かく書いてある方が好ましいです。細かく書いてあるということは、それだけ工事を緻密に考えているからで、「一式」の記載がやけに多い場合は大体の金額になりやすいからです。

これらの詳細は意味がわからなくても構いません。わからない内容は業者に質問すれば良いのです。なるべく細かく書かれている方を重視しましょう。細かく書いてあるほど「やる気」が伺えます。

見積書の説明があるか

見積書が送られてくるだけの会社と、渡すときに説明したいという会社があれば、説明に来る会社を選ぶようにしたいです。工事の「やる気」があれば、可能な限り説明をしたいと思うからです。もちろん説明のためだけに訪問するということは、人件費も交通費もかかることになります。ですから安い工事だとなかなか難しい面もあります。その場合は、電話やメールでの説明を求めましょう。

これは「技術力」を見分けることにもつながります。「技術力」がない業者は、説明をしたがりません。「なぜ下地処理を2回するのですか?」「この材料は何のために使うのですか?」などの質問をしても「そういうものです」とか「私の経験では・・・」みたいな言い方に終始します。これは「わからない」と同じ意味で、なんとなく以前から行っているからにすぎません。「技術力」がある業者は必ず「論理」を持っています。経験論は論理に付随するもので、論理がない経験論は大抵の場合は間違いです。質問を繰り返しているうちに相手の方から嫌がって仕事を降りる業者もいますが、そういう業者に頼まなくて良かったと安堵しましょう。

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腕が良いけど説明が下手な業者もいる

そもそも人と話すのが苦手で、手に職をつけて職人になった人も多くいるので、修理業者の人も説明するのが苦手という場合があります。腕は良いのに説明できないという業者がいるのは私も知っていますし、むしろその手の業者の方が多いように思います。しかしマンション管理組合が工事を発注する業者としては、不適切と言わざるを得ません。

なぜならば理事会で決定して発注すると、総会などで説明を求められることがあるからです。業者が説明できなければ、理事のみなさんが管理組合員に伝えることができるはずもないので、こういう業者さんに依頼すると理事会のみなさんが大変になってしまいます。個人で専有部の修理を依頼するなら良いのですが、修繕積立金など管理組合の費用を使う修理の場合は、説明がきちんとできる業者でなくてはならないのです。

良い業者を選ぶために(まとめ)

複数社に連絡をとり、見積もりをもらいましょう。そして全ての会社に見積もりの説明を依頼しましょう。その中で細かい見積もりを出し、細かい説明をしてくれた業者の中から選びましょう。これで確実に良い業者を選べるとは言いませんが、変な業者が入る余地が減ります。

業者の技術力などは、事前に話すだけではなかなかわかりません。私は多くの業者に接してきましたが、一度仕事をしてみないとわからないことがほとんどです。ですから建築工事の専門家ではない理事会のみなさんが、話すだけで見抜くことはほとんど不可能だと行って良いでしょう。しかし、これらの事前作業をすることで、変な業者を取り除くことができるので、ある程度は安心できると思います。質問攻めにすると怒り出す業者もいますが、そういう所は相手にせず粘り強く質問に答えてくれるところの方が安心です。ぜひ試してみてください。

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