マンションの修繕積立金が狙われている /談合で管理組合を食いものにする人達

以前、マンションの修繕積立金が足りないという話を書きましたが、今回はその少ない修繕積立金の一部がバックマージンとして誰かの懐に入っているという話です。マンションの大規模修繕工事に絡んで、業者で談合が行われているということが問題視されています。NHKのクローズアップ現代でこの問題が取り上げられると、国土交通省も平成29年1月に大規模修繕の不適切コンサルタントに関する通達を出していて、徐々に反響が大きくなっています。マンションの修繕積立金を根こそぎ失いかねない談合について、そしてマンションの修繕積立金が狙われている理由について書いてみたいと思います。

修繕積立金とは

マンションを買うと、管理費と修繕積立金を毎月支払わなくてはなりません。管理費は管理会社に払うお金ですが、修繕積立金はマンションの共用部を大規模修繕などに使う管理組合の貯金になります。大規模修繕工事は12年ごとに行うマンションが多いですが、特に何年ごとに行うという決まりはありません。マンションごとに大規模修繕工事の計画を立てて、それまでに必要な額を貯めることが求められています。

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時々、修繕積立金は絶対に払わなくてはならないのか?といった質問を受けることがありますが、必ず払わなくてはなりません。修繕積立金の支払いは管理規約に定められていて、これを払わなければ管理組合から督促されたり訴えられることもあります。

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積立金の額で修繕金が決まる不思議

マンションに住んでいる方々が毎月払っている修繕積立金は、管理組合の口座に貯金されています。その支出や残高は管理総会などで報告されているはずです。100戸ほどのマンションでは10年間で1億円以上のお金が貯まることがほとんどで、かなりの大金になります。そして本来は必要な箇所を修理するために大規模修繕工事の内容が決まるはずですが、修繕積立金の残高に応じて工事内容が決められてしまうことが横行しています。

多くのマンションでは管理会社が主導して大規模修繕工事を行っています。管理会社は修繕積立金がいくら貯まっているか知っているので、その額に応じた工事内容を提案してくるのです。仮に1億円貯まっていたとしたら、9500万円の見積書がやってきたりします。築10年を過ぎたところで管理会社が理事会のメンバーと合同で調査を行うなどのイベントがありますが、ほとんどの場合は長期修繕計画に書かれた内容の工事をそのまま行うことになり、金額は積み立てた修繕積立金の9割以上を使う内容になっています。

管理会社にとって、大規模修繕工事は大きな利益を得るチャンスです。ですから可能な限り、多くの工事を行って多くの利益を上げようと考えても不思議ではありません。また管理会社の心理として、大規模修繕工事の後に「管理会社が提案する通りに大規模修繕工事を行ったのに、すぐに不具合が出た」とは思われたくないので、過剰な工事を行いたくなるという面もあります。そのため管理会社の大規模修繕は割高になるという声が聞かれるようになり、管理組合によってはコンサルタントに依頼するケースも増えてきました。

大規模修繕工事のコンサルタント

マンションの大規模修繕工事を行うには、専門知識が不可欠です。しかし管理会社を使わないと決めた場合、マンション管理組合はさまざまなことを自らで行わなければなりません。そこで大規模修繕工事に詳しいコンサルタントを雇い、計画を立てたり業者の選定を行うのです。コンサルタントは管理組合の希望に添った形で大規模修繕工事を進めることになるのですが、マンション管理組合に建築に詳しい人がいない場合はコンサルタントの主導で計画が立てられていきます。

実際に工事をする業者を選定する場合も、コンサルタントが知っている会社を複数紹介して見積書を提出してもらい、その中から最も安い業者に選定することが多いようです。それ以外にも、コンサルタントが業者を公募して見積書を提出してもらうこともあります。

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談合の仕組み

談合は管理会社やコンサルタントが主導して、施工会社と協力して行われます。管理会社やコンサルタントが決めた工事内容で、指定した各社が見積書を提出します。

しかし管理会社やコンサルタントは、あらかじめA社に落札することを決めていて、B社からD社はA社よりも高い見積書を出すことになっています。これは輪番制になっていて、次回の大規模修繕工事ではB社が受注するように、その次はC社が受注するように決めているのです。こうしてA社に決まるとA社は管理会社やコンサルタントにキックバックを行います。

キックバックされるバックマージンの相場は10%から20%と言われています。9500万円の10%で950万円、20%なら1900万円が設計コンサルタント会社に渡るのです。つまり工事の見積書には予めバックマージンの10%や20%の料金が含まれており、管理組合の修繕積立金から出ているのです。

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バックマージンを取るから安くてOK

コンサルタントは、管理組合に営業をかけます。彼らはバックマージンをもらえるので、コンサル料は安く抑えられています。上記の例なら10%でも1000万円以上のお金がバックマージンとして後から入るのですから、コンサル料は交通費程度でももらっておけばコンサル会社としては十分に利益が出ます。そのためコンサル料が安すぎるところは、要注意だと言われています。しかしコンサル料だけで談合が行われているか見抜くことは、ほとんど不可能と言えるでしょう。

談合の可能性が強いケース

管理会社や設計コンサルタント会社が、付き合いのある施工会社から見積もりが出てくるケースは疑った方がよいでしょう。また公募をしても、狭い業界なので業者同士が繋がっている可能性が高いと言われています。それに公募の際に、あれこれ条件を付けすぎる管理会社や設計コンサルタント会社は要注意です。公募といいつつ、自分たちが知っている会社以外は手を挙げられないようにしているからです。どうやって談合を見抜けばよいか?という質問を受けることがありますが、こればかりは見分ける手段が少ないのが本当のところです。では無駄なお金を使わないためにどうすれば良いのでしょうか?これはまた別に書きたいと思います。

自分たちのマンションの大規模修繕工事で、談合が行われているのではないか?そんな疑問を感じたら、以下のメールフォームからご連絡ください。

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